農漁業関係者との懇談会で発言する韓国のイ・ジェミョン大統領=10月26日、青瓦台迎賓館(c)news1
農漁業関係者との懇談会で発言する韓国のイ・ジェミョン大統領=10月26日、青瓦台迎賓館(c)news1

【10月27日 KOREA WAVE】韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は26日、農漁業関係者と会談し、環太平洋連携協定(TPP)の枠組みである「包括的・先進的TPP協定」(CPTPP)への加入について「将来を見据え、全体を見て、大局的に判断するしかない。避けられない」と述べた。そのうえで、農漁業者への十分な補償が大前提になると強調した。

イ・ジェミョン氏は青瓦台迎賓館で開かれた懇談会で「誰かが反対し、激しく抵抗するからといって、やるべきことをやらないわけにはいかない。しかし、不当に犠牲を強いてはならない」と語った。懇談会は1時間30分の予定を50分超過した。

加入の必要性について、イ・ジェミョン氏は「韓国は輸出や貿易に依存する国であり、経済領土と呼ばれる世界の輸出市場を拡大することが非常に重要だ」と説明。農畜水産業を保護するために貿易自由化の流れから離脱すれば、貿易国家としての地位を維持できるかと問題提起した。

加入申請をしても承認されるとは限らず、加盟12カ国それぞれの同意が必要だと指摘。「加入しても、私の任期中に最終妥結しない可能性の方がはるかに高い」との見通しを示した。その一方、「国全体のためには、批判を受けても加入を進めなければ次の段階に進めない」と強調。「私の任期中に実現するか……私は再選を目指さないので心配しないでほしい」とも述べた。

農漁業者の懸念については「農業、漁業、林業、畜産業が不当な被害を受けることはない。韓国の生存に必ず必要な分野が打撃を受けたり、縮小したりしないよう最善を尽くす」と約束した。また、「皆のために特別な犠牲を払うなら、それに見合う以上の十分な補償をするのが当然だ」と発言。協定による市場拡大や関税引き下げで利益を得る側から一定部分を徴収し、損失を受ける側を補填する考えを示した。実務的な協議はしていないとしながらも、「輸出負担金が必要ではないかというのが私の考えだ」と述べた。

イ・ジェミョン氏は農業者に支給する公益型直接支払金の引き上げについても「明確な政府の課題と認識している」と表明。農漁村の基本所得についても、一部の郡での実施から拡大していく必要があるとした。

農地の全数調査を巡っては「農地を取り上げたり、不利益な処分をしたりするためではない」と説明。農業を営むと届け出て購入した農地が適切に使われているかを確認するためだと強調した。農地の買い取り予算も大幅に増やし、売却を希望する人が売れるようにする考えを示した。懇談会後、イ・ジェミョン氏は記念撮影を終えてからも約10分間、立ったまま出席者の意見に耳を傾けた。出席者は、大統領と農民団体の対話は8年ぶりで、漁業・林業関係者との懇談会は初めてだとして謝意を示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News