3Dデジタルツイン化により、建物情報の継続的な更新・活用を支援

株式会社リコー(社長執行役員:大山 晃、以下 リコー)とリコージャパン株式会社(社長執行役員:笠井 徹、以下 リコージャパン)は、リコーが開発した、360度カメラで撮影した映像から世界最高水準※1の高精細な3Dモデル※2を生成する技術を、東京電力パワーグリッド株式会社(代表取締役社長:金子禎則)の建物保全業務に導入し、運用を開始しました。
本技術は、リコー独自の360度カメラの位置推定技術と、周囲の空間構造を推定・補完するAIを組み合わせることで、壁面や床面を含む空間全体を、欠損を抑えた高精細な3Dモデルとして生成するものです。

背景
インフラの老朽化や熟練技術者の減少が進む中、建物や設備などの維持管理業務においては、現場確認や設備点検、関係者間の情報共有を効率化することが課題となっています。こうした課題への対応策として、現実空間をデジタル空間上に再現する3Dデジタルツインの活用が進んでいます。
近年では、専用機材や撮影スキルを必要とせず、現場を移動しながら効率的に空間情報を取得できる360度カメラを活用し、撮影映像から3Dモデルを生成する手法が注目されています。
一方、撮影映像から空間形状を推定して3Dモデルを生成するにあたり、白い壁や床、机の天板など、画像上の特徴が少ない場所では形状を正しく推定することが難しく、3Dモデルに欠損が生じやすいことへの対応が課題でした。

空間構造を補完する独自AI技術により、3Dモデルの欠損を大幅に抑制
リコーはこの課題を解決するため、周囲の壁や床のつながり、部屋全体の構造などをAIが総合的に判断して補完する技術を開発しました。これにより、画像上の特徴が少ない場所を含む空間でも欠損を大幅に抑え、世界最高水準※1の高精細な3Dモデル生成を実現しました。
また、本技術を「RICOH Digital Twin Workplace※3」に実装することで、利用者は360度カメラで撮影したデータをアップロードするだけで、半日程度で高精細な3Dモデルを生成できます。レーザースキャナーなどの専用機材を用いた従来の3Dスキャン手法では、撮影からモデル生成まで数日を要していましたが、本技術により、短時間で3Dデジタルツインを構築できるようになります。これにより、工事や設備変更などによる現実空間の変化をよりタイムリーに3Dデジタルツインへ反映できるようになり、空間情報の継続的な更新・活用を支援します。


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360度カメラ映像から生成した3Dモデルの比較
従来技術では欠損が発生していた白い壁面や床面においても、欠損を大幅に抑制


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360度カメラ映像から生成した3Dモデル

東京電力パワーグリッドで運用を開始し、対象拠点を順次拡大
東京電力パワーグリッド株式会社(以下 東京電力PG)は、2026年6月より、主に事務所用途の建物を対象に、3Dデジタルツイン化の実証を進めています。今回、その3Dモデル生成工程に本技術を導入することで、欠損の少ない高精細な3Dモデルをより短時間で生成できるようになり、建物の状態をより正確に把握するとともに、工事前後の状態変化を継続的に反映できるようになります。これにより、現場の状況をデジタル空間上で確認することが可能になります。

 東京電力PGでは、デジタル技術を活用した業務変革(DX)の一環として、所有する建物を360度カメラで撮影し、その映像から生成した3Dモデルを「RICOH Digital Twin Workplace」上で活用しています。建物名、階数、部屋名などの情報を付与することで、3D空間と建物に関する情報を一元的に管理し、必要な情報へ直感的にアクセスできる環境を構築しています。これにより、現場に赴かなくても建物の状況や関連情報を確認でき、保全業務における調査や関係者間の情報共有の効率化を図っています。また、現場の状況をデジタル上に蓄積・共有することで、熟練技術者が持つ知見やノウハウの共有・継承への活用も想定しています。
本取り組みにおいて、リコーは3Dモデル生成技術を提供し、リコージャパンは「RICOH Digital Twin Workplace」の提供および導入・活用支援を担っています。
リコーとリコージャパンは今後も、東京電力PGにおける3Dデジタルツインの活用を支援し、建物保全業務のさらなる効率化・高度化に貢献していきます。


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本技術により生成した東京電力PGの駐車場エリアの3Dモデル

今後の展開
リコーグループは、働く人や空間、業務プロセス、データなど企業活動そのものをデジタル技術で統合・再現するデジタルツインを中核とした研究開発を進めています。今後は、将来的なフィジカルAIの社会実装にも資する技術として、3D空間データ、設備情報、業務データを統合し、AIが現場環境や状況を理解して業務を支援する仕組みの実現を目指します。また、電力分野にとどまらず、建設、製造、施設管理などさまざまな産業領域への展開を通じて、現場業務のさらなる効率化と高度化に貢献してまいります。


※1 リコー調べ(2026年9月時点)。360度カメラ映像のみから3Dモデルを生成する主要な商用技術を対象に、3Dモデルの欠損率を当社所定の条件で比較。「欠損率」は、3Dスキャナで取得した正解データに対し、100mm以上の誤差がある領域を欠損と定義し、その割合を評価。

※2 3Dモデルは、物体や空間の形状を多数の面(メッシュ)で立体的に表現したデジタルデータ。3DGS(3D Gaussian Splatting:複数の画像から物体や空間を多数の粒で表現し、見た目を再現する3D表現技術)に対し、3Dモデルは形状そのものを面で表現するため、距離や面積の計測、断面の確認、干渉判定など、形状を利用した活用に適している。3Dデジタルツインは、3Dモデルなどを活用して現実の空間や設備をデジタル上に再現する仕組みや概念を指す。

※3 RICOH Digital Twin Workplaceは、BIM(Building Information Modeling:建物の形状や設備情報などを3次元データで管理する手法)や図面などで情報整備されていない既存建物や、改修前後の部屋内、設備、資産をはじめ天井裏の配管までも3次元復元してバーチャル空間として再現。現地に行かずどこにいてもPCやタブレットから空間を閲覧でき、測距、メモやコメントによるやりとりの記録、既存台帳システムとの連携、各種AIによる業務の自動化や作業支援などを可能にします。
https://www.ricoh.co.jp/special/building-digital-twin

■関連情報
空間データ作成・利活用AIソリューション | リコーグループ 企業・IR | リコー
https://prv.jp.ricoh.com/technology/tech/126_building_digital_twin

RICOH Digital Twin Workplaceランディングページ
https://www.ricoh.co.jp/special/building-digital-twin


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リコーグループは、世界約200の国・地域で、AIをはじめとする先進テクノロジーと、長年培ってきたプリンティング領域の強みを基盤に、ワークプレイスにおける業務変革を支援するサービス・ソリューションを提供しています。また、商用・産業印刷事業や、インクジェット技術を応用した新たなソリューションの展開を通じて、お客様の価値創出を支えています(2026年3月期グループ連結売上高2兆6,083億円)。
“はたらく”に歓びを 創業以来90年にわたり、お客様の“はたらく”に寄り添ってきた私たちは、これからもリーディングカンパニーとして、“はたらく”の未来を想像し、ワークプレイスの変革を通じて、人ならではの創造力の発揮を支え、さらには持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/


本件に関するお問合わせ先
<報道関係のお問い合わせ先 >
株式会社リコー https://jp.ricoh.com/
広報室 TEL:050-3814-2806 (直通) E-mail:koho@ricoh.co.jp

関連リンク
空間データ作成・利活用AIソリューション | リコーグループ 企業・IR | リコー
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