起亜のEVラインアップとPV5の乗用・貨物モデル=2026年8月3日、起亜提供(c)news1
起亜のEVラインアップとPV5の乗用・貨物モデル=2026年8月3日、起亜提供(c)news1

【10月26日 KOREA WAVE】韓国で生産した電気自動車(EV)に税制優遇を適用する動きが、再び進んでいる。中国製EVが韓国市場で急速にシェアを広げる中、与野党が共同で法改正に乗り出し、8月の税制改編案では完成車のEVを対象から外した政府も再検討を始めた。研究開発や設備投資に集中していた税制支援を生産段階にも広げ、国内の生産基盤と雇用を守り、国際競争力を高める狙いだ。

自動車業界と国会によると、韓国与党「共に民主党」のユン・フドク議員、韓国野党「国民の力」のユン・ハンホン議員ら与野党19人は16日、国内生産に対する税額控除を柱とする租税特例制限法改正案を共同提出した。EVや半導体、二次電池など国家戦略産業の製品を国内で生産・販売する企業の所得税や法人税を控除する内容だ。

背景には、価格競争力を武器とする中国製EVの台頭がある。韓国自動車モビリティ産業協会によると、国内の新規登録EVに占める中国製の比率は、2022年の4.7%から2026年上半期には35%へ急増した。9月の国内EV販売では輸入車が57.2%を占めた。輸入EV販売の82.4%は、中国生産車を主力とするテスラと比亜迪(BYD)だった。欧州でも中国勢が拡大している。市場調査会社EVカウントによると、2026年1~8月の欧州EV市場で、BYD、奇瑞汽車、上海汽車、零跑汽車の中国4グループのシェアは15.1%。前年同期の9.1%から6.0ポイント上昇した。

国内生産が減れば、部品メーカーの受注や雇用にも影響する。生産税額控除は、国内市場の防衛だけでなく、国際競争力の確保にも必要との声が出ている。現行のEV購入補助金は、生産国に関係なく、要件を満たせば輸入車にも支給される。業界は、普及促進のための購入補助金と、国内生産を支える税額控除は目的が異なるとして、支援拡充を求めている。業界関係者は「企業の努力だけでは中国製EVの攻勢に対応しにくい。自動車産業は雇用創出など産業全体への影響が大きく、生産税額控除の早期導入が必要だ」と訴えた。

政府は8月の税制改編案で、半導体や二次電池などを生産税額控除の対象とした一方、EV完成車は購入補助金との重複支援などを理由に除外していた。しかし、イ・ヒョンイル副首相兼財政経済相は22日の国会国政監査で、EVの税額控除について、企画予算処や産業通商省、大統領府と協議し「現在検討している」と説明。EV産業は今後2~3年、厳しい状況が予想されるとして、現場の実情を確認する意向も示した。

課題は財政負担だ。共に民主党のイ・オンジュ議員が別途提出した改正案には、国内で生産し、販売または輸出したEVについて、1台当たり400万ウォン(約47万4000円)を基準に税額控除する案が盛り込まれた。単純計算では10万台で4000億ウォン(約474億円)、100万台で4兆ウォン(約4740億円)の控除となる。ただし、実際の規模は車種や地域別の優遇係数、企業ごとの控除限度額などによって変わる。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News