【10月26日 AFP】ブラジル大統領選の決選投票が25日に行われ、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領が右派のフラビオ・ボルソナロ氏を破り、劇的な逆転勝利を収めた。第1回投票ではフラビオ氏に大差をつけられていた。

27日に81歳の誕生日を迎えるルラ氏は、大方の予想を覆し、中南米最大の国ブラジルで史上初の通算4選を果たした。

公式開票結果によると、ルラ氏の得票率は51.75%で、極右のジャイル・ボルソナロ元大統領の息子フラビオ氏の48.25%を上回った。フラビオ氏は世論調査でのリードを背景に、自信を持って投票日を迎えていた。

再選を受けてルラ氏は、国民は「民主主義を守るため」に票を投じたと述べた。

アルゼンチンやチリ、コロンビア、ペルーなど、多くの国でドナルド・トランプ米大統領の後押しを受けた右傾化が進む中、ルラ氏の勝利によってブラジルは保守化の波を食い止めた。

スキャンダルや中傷合戦にまみれた選挙戦を経て迎えた25日の投票は、最高裁判事が投票終了間際に投票時間を2時間延長する決定を下したことで混乱に陥った。ルラ氏が各地の都市でバスの運行が取りやめられ、市民が投票できなくなっていると訴え、延長を求めていた。

フラビオ氏も大雨を理由に一部地域での投票時間延長を求めていたが、同氏の陣営は全国一律の延長に強く反発した。

数百万人を貧困から救った社会福祉政策で支持を集めてきたルラ氏は、汚職事件で18か月以上収監された後、2022年の大統領選で返り咲いたのに続き、今回も再選を果たした。ただ、汚職事件の影は今も付きまとう。

3期目の政権下ではインフレ率と失業率が低下し、数百万人が飢餓から救われた。それでも有権者は生活費の高さや治安への不安を訴えている。

ルラ氏は、投票した有権者のほぼ半数が対立候補を支持し、変化を切望する分断された国で、4期目に臨む。

右派が多数を占める議会もルラ氏に敵対的だ。経済成長の減速で政策の選択肢が限られる中、生活の改善と犯罪組織による深刻な治安問題への対応を迫られる。(c)AFP