【10月28日 東方新報】中国・広東省(Guangdong)連平県の黄牛石省級自然保護区は10月5日、同県で初めてナンキンオシが確認されたと発表した。同保護区の監視員が山林を巡回していた際、松林の上空を飛び回る2羽のナンキンオシを発見し、望遠レンズで撮影することに成功した。静かな森林の中を飛ぶ姿に監視員たちは驚き、喜びを見せた。これまで連平県の生物種の記録にナンキンオシが登場したことはなく、今回が初の確認となった。

ナンキンオシは「世界で最も小さいカモ」と呼ばれ、中国の国家二級重点保護野生動物に指定されている。成鳥の体長は約30センチ、体重はわずか200~300グラム。遠くから見ると水面に浮かぶ白い綿のように見えることから、中国語では「棉鳧」と呼ばれている。

水質が良く、水生植物が豊富な浅い湖やハス池、湿地、流れの緩やかな河川などを好む。生息環境に対する要求が高く、湿地の生態系の健全さを示す指標種とされている。

同保護区では2026年に入ってから、これまで記録されていなかった動植物100種以上が新たに確認された。このうち、鳥類は22種、維管束植物は79種に上る。新たに確認された種には、ナンキンオシ、オオコノハズク、モリフクロウ、アカハラダカ、アオショウビンの5種の国家二級重点保護鳥類や、カンラン、ケイランの2種の国家二級重点保護ラン科植物が含まれる。また、ノドジロクイナやアカアシクイナなど、広東省が重点的に保護する野生動物も確認された。

同保護区管理事務所の熊祥健(Xiong Xiangjian)副主任によると、連平県では2026年4月、黄牛石省級自然保護区で標高差に着目した動植物の多様性モニタリング事業を開始した。

熊氏は「従来の生態調査は、一度きりの生物種の実態把握が中心だった。巡回範囲や季節の変化、動植物の人目につきにくい習性、調査機器の制約などにより、夜行性の種や明け方・夕暮れ時に活動する種、限られた環境に生息する種などは、長い間確認が難しかった」と説明した。

今回導入した標高別の継続的なモニタリングは、従来の調査方法を大きく変えるものとなった。ナンキンオシを含む100種以上の、これまで発見が難しかった希少な動植物を正確に記録することができ、連平県の生物種の調査記録に新たな成果をもたらしたという。(c)東方新報/AFPBB News