【三里河中国経済観察】「世界の売り手・買い手」中国の貿易が示す経済の底力
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【10月27日 CNS】中国の対外貿易は現在、二つの役割を担っている。
中国国家統計局が10月19日に発表したデータによると、2026年1~9月の国内総生産(GDP)は107兆1071億元(約2541兆6193億円)となった。対外貿易も好調な実績を示した。モノの輸出入総額は39兆9399億元(約947兆7618億円)で、前年同期比18.8%増加した。このうち、輸出は23兆1979億元(約550兆4792億円)で同16.4%増、輸入は16兆7420億元(約397兆2826億円)で同22.3%増となった。
中国は「世界の大きな売り手」であると同時に、「世界の大きな買い手」として世界経済に深く組み込まれている。こうした二つの役割は、第15次5か年計画(2026~2030年)期間における中国の対外貿易の新たな規模と位置付けを示している。
中央財経大学(Central University of Finance and Economics)の欧陽日輝(Ouyang Rihui)教授は、中国新聞網の経済コラム「三里河中国経済観察」に対し、「これは単なる貿易規模の拡大ではなく、役割の転換だ。より正確に言えば、二つの役割の変化が中国経済の強さを映し出している」と述べた。
中国が輸出する製品は、すでに以前とは異なっている。
中国の輸出と聞くと、今でも「大量生産で価格が安い」という印象を持つ人は少なくない。しかし、実際のデータは、そうしたイメージが過去のものになりつつあることを示している。1~9月の輸出統計で注目すべきなのは、伸び率そのものよりも輸出品目の構成だ。機械・電気製品の輸出は前年同期比23.7%増加し、輸出総額に占める割合は64.3%に達した。
これは単に輸出量が増えたということではなく、輸出する製品そのものが変化していることを意味する。
中国国際テレビ局(CGTN)が実施した世界規模の調査では、回答者の89.2%が中国の輸出製品は世界市場で競争力があると答え、84.7%がその主な強みとして「先進技術と高いコストパフォーマンス」を挙げた。さらに、80.2%の回答者は、中国が輸出する製品の多くについて、ほかの国では生産できないか、生産できてもはるかに高いコストがかかると認識していた。
欧陽教授は、中国が「世界の大きな売り手」である強みは、単なる規模ではなく、ほかの国の製品で代替することがどれほど難しいかにあると指摘する。その背景にあるのは、中国経済の供給面での強さだ。かつては低コストを武器に受注を獲得していたが、現在は高い技術力と充実した産業基盤によって競争力を維持している。国際環境が不確実になるほど、代替の難しい製品を供給できる国の存在感が際立つという。
「世界の大きな売り手」が中国の供給力を示すものだとすれば、「世界の大きな買い手」という役割は、中国が世界経済において持つもう一つの重要な強みだ。
1~9月の輸入の伸び率は輸出を5.9ポイント上回った。輸入が輸出よりも高い伸びを示したことで、貿易のバランスは改善する方向に向かっている。これは単なる数字の変化ではなく、約14億人の人口を抱える中国が、市場の開放をさらに進めていることを示している。
中国は17年連続で世界第2位の輸入国となっており、約80か国にとって主要な輸出先となっている。2026年1~7月には、150を超える貿易相手国・地域からの輸入が前年同期比で増加した。CGTNの調査では、世界の回答者の89.8%が、中国はより多くの国に実質的な雇用と税収をもたらしていると回答した。
中国が「世界の大きな買い手」であることの重要性は、輸入額の大きさだけでなく、中国の需要が他国の産業や雇用をどれほど支えているかにある。2026年5月1日から、中国は外交関係のあるアフリカ53か国に対して全面的にゼロ関税措置を実施した。中国の巨大な市場は、アフリカの発展にこれまでにない新たな機会をもたらすと期待されている。
世界的に貿易保護主義が強まる中、自国市場を積極的に開放すること自体が、国際経済にとって貴重な安定要因となっている。欧陽教授は「需要面での強さとは、世界に製品を売るだけでなく、世界に市場を提供できることでもある。安定した供給力と需要を併せ持つことで、対外貿易は一方に依存するのではなく、二つの原動力によって成長できる」と説明した。
貿易総額だけでなく、その実力を左右するのは、どのような企業が、どの地域で貿易を担っているかという点だ。1~9月の民間企業の輸出入総額は22兆7300億元(約539兆3760億円)で、前年同期比19.1%増加した。対外貿易総額に占める割合は56.9%となり、引き続き最大の担い手となっている。
外資系企業の輸出入は同19%増、国有企業は同17.8%増だった。三つの企業形態がそろって成長しており、いずれかがほかを押しのけるのではなく、貿易全体の基盤が強化されている。
地域別でも成長が続いている。例えば、広東省の1~8月の輸出入総額は7兆5402億4000万元(約178兆9276億円)に達し、全国首位を維持した。特に輸入は前年同期比39.5%増加した。
中国最大の貿易省である広東省(Guangdong)が成長を続ける一方、中部の安徽省や河南省なども存在感を高め、地域間の貿易の勢力図に変化が生じている。一国の貿易の強さは、一つか二つの港湾や貿易拠点だけで支えられるものではない。各地の産業拠点がそれぞれ独自の競争力を確立することで、国全体の貿易基盤が強化される。
製品を売ることも、海外から買うことも、一つの経済力だ。輸出できることは産業の競争力を示し、輸入できることは市場の魅力を示している。この二つの役割を同時に果たせることこそ、中国経済の強さを支える重要な基盤であり、GDPが107兆元(約2539兆779億円)を超えた背景を理解する上でも注目すべき点となっている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News