[KWレポート] 韓国・家族を守る法の空白 (3) …養育費が届かないまま、離婚裁判は続く
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【10月26日 KOREA WAVE】韓国で、離婚訴訟中の養育費を一人で負担したり、遠方の管轄裁判所に通うために子どもの世話に支障が出たりする問題が続いている。法曹界は、子どもの利益を十分に考慮していない現行の家事訴訟法を背景に挙げている。
現行法では、離婚確定前に養育費の支払いを命じる事前処分に、強制執行力が認められていない。離婚訴訟には通常6~12カ月かかり、控訴などで数年に及ぶこともある。その間に支払いが途絶えれば、子どもを育てる側が養育と経済的な負担を一人で背負うことになる。
家事訴訟法第62条第1項は、家庭裁判所などが養育費の支払いを含む養育上の措置を命じられると定める。一方、同条第5項は、その処分に執行力がないと規定している。養育費履行法には国が立て替える「養育費先払い制度」があるが、離婚確定後に適用される制度だという。
最高裁関係者は「離婚事件は審理が長期化しやすく、裁判中の養育費支払いを命じる事前処分は可能だが、執行力が認められていないため、実際の支払いを確保するのが難しい」と説明した。
支払いを強制できないことは、子どもを育てる側の交渉上の立場も弱める。生活費に困り、不利な条件でも合意して訴訟を終える例が少なくないという。
韓国女性弁護士会のチェ・シニョン副会長は「相手が養育費を止めると、家賃や子どもの塾代、生活費を賄えず、借金でしのぎながら訴訟を続けなければならない」と話す。
「訴訟が半ばに差しかかるころには、『財産分与が少なくなっても早く終わらせたい』と訴えるようになる。目の前の生活のため、相手の提示条件を受け入れて調停を成立させることになる」と説明した。
そのうえで、養育費を強制的に確保する手段がないことは、子育てだけの問題にとどまらず、離婚訴訟全体を経済力のある側に有利に働かせると指摘した。
裁判所の管轄に関する規定も、子どもの世話に支障を生む要因だ。
現行法では、離婚や養育に関する事件は、夫婦が最後に一緒に暮らした住所や、相手方の住所などを管轄する裁判所で審理される。
例えば、ソウルで暮らしていた夫婦の一方が訴訟中に子どもを連れて地方へ移っても、裁判は引き続きソウル家庭裁判所で開かれる。子どもを育てる親は地方とソウルを往復しなければならず、その間の世話に空白が生じかねない。
韓国女性弁護士会のホ・ユンジョン会長は「制定当時の『家庭を保護する』という目的からは、夫婦の住所を基準とすることに理由があったかもしれないが、今の時代には合っていない」と指摘。「養育の空白を防ぐため、子どもを育てる側の住所を管轄する裁判所でも訴訟を進められる仕組みが必要だ」と述べた。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News