韓服姿で景福宮を散策する外国人観光客(c)news1
韓服姿で景福宮を散策する外国人観光客(c)news1

【10月26日 KOREA WAVE】ソウル市鍾路区の景福宮で、入場料の値上げを求める声が広がっている。韓服文化週間(19~25日)を迎え、国内外の観光客でにぎわう景福宮の入場料は、わずか3000ウォン(約360円)。韓服を着用すれば、国籍を問わず無料で入場できる。韓国国家遺産庁によると、景福宮の大人の入場料は2005年の改定以来、21年間据え置かれている。

「景福宮の入場料はコーヒー1杯と同じくらい。2万ウォン(約2380円)になっても、また訪れたい」。景福宮を訪れたインドネシア人観光客のジェシカさん(26)は20日、入場料についてこう語った。韓国旅行4日目というジェシカさんは「景福宮は外国人にも有名な観光地。入場料をもっと高くして、その収入を教育など別の目的に活用してもよいと思う」と話した。

フランスのベルサイユ宮殿の繁忙期の共通入場券が35ユーロ(約6210円)、英国のバッキンガム宮殿の公式諸間の見学料が33ポンド(約6990円)であることと比べても、安い水準だ。

韓国政府も入場料の見直しを進めている。国家遺産庁が9月8日に開いた公開討論会では、国民約6600人が考える古宮の適正入場料は平均9203ウォン(約1100円)だった。専門家が示した平均7940ウォン(約950円)を上回り、約50%が「入場料の適正化が必要」と回答した。

SNSでも値上げに賛成する声が相次いでいる。「2万ウォン(約2380円)は取るべきだ」「外国人には高く設定し、韓国人には割引してほしい」「値上げ分を文化財の管理に使ってほしい」といった意見が寄せられた。一方、「お金がなければ自国の遺跡も見られなくなるのか」「5000ウォン(約600円)程度に値上げし、特別なイベントを開催した方がよい」との声もあった。韓服着用者の無料入場制度を廃止するか、割引制度に変更すべきだという意見も出ている。

景福宮を訪れた会社員のパク・ジウォンさん(25)は「入場料が安すぎる。文化遺産の保存に使われるなら5000~7000ウォン(約600~830円)まで支払うつもりだ」と話した。鍾路区で働くク・ジヘさん(30)は「韓国人の料金は安く維持し、外国人には別料金を適用するのがよい」と述べた。これに対し、チリ人観光客のレナタさん(24)は「入場料が安く、韓服を着れば無料で入れるのがよい」と評価する一方、値上げされた場合は再訪するつもりはないと語った。

入場料見直しの背景には、観光客増加に伴う管理負担の拡大もある。2025年に韓国の四大宮殿と宗廟、朝鮮王陵を訪れた人は約1781万人に上ったが、そのうち69%に当たる1229万人が無料入場者だった。最近は景福宮の建物の障子紙に穴が開けられるなど、文化遺産が損傷する事例も発生しており、管理人員の増員を求める声が上がっている。

誠信女子大学のソ・ギョンドク教授は「物価上昇と外国人観光客の増加を考えれば、入場料を引き上げる時期に来ている」と指摘した。そのうえで「急激な値上げではなく、5000ウォン(約600円)程度に引き上げ、増収分を文化遺産の修復や管理人員の拡充に活用するのがよい」と提案した。ただし「入場料を上げたからといって、観覧マナーが変わるわけではない」とし、見学時のマナーを伝える案内文の整備なども必要だと強調した。

国家遺産庁は当初、2026年11月に新たな入場料基準を発表し、2027年1月から適用する計画だったが、日程を保留した。10月8日の国政監査では、値上げ案の発表時期と実施時期はいずれも未定だと説明。休憩施設や案内設備、予約システムなど、観覧環境の改善を優先する方針を明らかにした。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News