北朝鮮・金正恩総書記の訪中、南北の衝突抑制につながるとの見方…対韓強硬姿勢は継続も
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【10月25日 KOREA WAVE】北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記による電撃訪中が、非武装地帯(DMZ)での地雷爆発や軍事境界線付近での南北対立に伴う緊張を、結果的に和らげる可能性があるとの慎重な見方が25日、出ている。最高指導者自らが外交に力を入れていることが、その背景にある。北朝鮮は当面、韓国との軍事的衝突も辞さずに決着を図るより、中国やロシアとの関係強化を優先し、今後、米国を圧迫・けん制するための環境づくりに注力しているという分析だ。
9月21日にDMZで起きた地雷爆発について、韓国軍は北朝鮮軍が埋設した地雷が原因だと発表したが、キム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党総務部長は関与を否定した。キム・ヨジョン氏は9月30日以降、地雷爆発や、その後の軍事境界線付近での対立に関し、計7回の談話を発表した。しかし、これらは一度も北朝鮮の住民向けには伝えられていない。地雷爆発そのものについても、住民には知らせていないことになる。10月19~22日には、韓国向け拡声器放送の再開や軍事境界線周辺への戦力増強を示唆する強硬発言を続けたが、北朝鮮の住民向けメディアでは報じられなかった。
これは、南北対立を住民の対韓敵対意識の高揚に積極的に利用してきた過去の対応と対照的だ。2020年6月、脱北者団体による北朝鮮向けビラ散布を問題視して対韓攻勢を強めた際には、韓国を非難する談話を労働新聞などに掲載。平壌や開城など各地で大規模な糾弾集会を開いた。緊迫した情勢を住民に伝え、宣伝活動や動員によって内部結束を図る狙いがあった。
2024年10月の「平壌への無人機侵入」を巡っても、対応は似ていた。北朝鮮は同月11日の外務省声明で、韓国の無人機が平壌上空に侵入したと主張。翌日の労働新聞1面に強硬姿勢を示す記事と声明全文を掲載し、14日には「朝鮮人民が激怒した」と題する記事で、住民の報復を求める声を強調した。
しかし、今回はこうした動きが見られない。キム総書記も最近、住民生活や内部結束に関わる活動に集中している。22~23日には全国の中隊長を平壌に集め、中隊長大会を開催した。前線での衝突の可能性を示唆するキム・ヨジョン氏の発言とは、やや異なる動きと受け止められた。緊張が高まる時期に、最前線の指揮官が持ち場を離れることになったためだ。キム総書記は大会の演説でも、接境地域の「厳しい情勢」に言及しなかった。
一部では、拡声器放送や接境地域の戦力増強が、対韓圧力のカードを超えた実際の措置に発展する可能性は高くないとの見方もある。国際社会がキム総書記の外交に注目する中、南北の軍事的衝突を辞さない姿勢を取るのは合理的ではないという分析だ。
ただ、専門家は、前線で実際の措置に踏み切るかどうかとは別に、訪中が対韓強硬姿勢の緩和に直結する可能性は低いとみている。統一研究院のホン・ミン上級研究委員は「中国との戦略的関係を強化するほど、韓国には強硬姿勢をさらに強め、維持する可能性が高い」と指摘。「北朝鮮の対韓強硬姿勢は明確だ」と述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News