20日に撮影された北朝鮮・南浦造船所の屋内建造施設と近隣の貨物港=NKニュース提供(c)news1
20日に撮影された北朝鮮・南浦造船所の屋内建造施設と近隣の貨物港=NKニュース提供(c)news1

【10月24日 KOREA WAVE】北朝鮮が、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の指示した5000トン級新型駆逐艦の進水期限を守れなかったとの分析が出ている。一方、衛星写真からは、既存の駆逐艦より大型の1万トン級巡洋艦を建造している可能性も浮上している。北朝鮮専門メディア「NKニュース」が21日に報じたところによると、南浦造船所は朝鮮労働党創建81周年に当たる10月10日までに、新型の崔賢(チェ・ヒョン)級駆逐艦を進水させる目標を達成できなかったと分析された。

北朝鮮は2025年7月、南浦造船所で崔賢級駆逐艦の追加建造に着手したと発表し、2026年10月10日までに完成させる計画を明らかにしていた。キム・ジョンウン氏も2026年3月、建造中の3隻目の崔賢級駆逐艦を視察したと発表し、期限を改めて強調していた。ただし、当時の北朝鮮メディアは建造中の艦艇の写真を公開していなかった。

期限から10日が過ぎた20日になっても進水の発表はなく、衛星画像会社プラネット・ラブズの写真でも、南浦造船所の屋内建造施設や近隣の貨物港に進水式の準備を示す動きは確認されなかった。NKニュースは、2025年7月に北朝鮮メディアが船体の組み立て場面を公開してから約5週間後、屋外に置かれていた船体構造物が姿を消した点にも注目した。屋内施設で建造が進んでいる可能性はあるものの、衛星写真だけでは作業の進捗状況を確認するのは難しいという。

北朝鮮は南浦造船所で建造した最初の崔賢級駆逐艦を2025年4月に進水させ、2026年6月に就役式を開いた。当時は屋外で大型船体を組み立てた後、屋内施設に移す方式が採用されたとみられる。

一方、北朝鮮が建造計画を変更し、より大型の軍艦の建造に着手した可能性も指摘されている。NKニュースが公開した11日撮影のエアバスの高解像度衛星写真には、南浦造船所の両端にある2カ所の屋外組み立て区域で、赤色の軍艦船体構造物が写っていた。一方の区域では7月から組み立て作業が始まったとみられ、9月以降は屋内建造施設に近い別の区域でも同様の構造物が確認された。2隻を同時に建造している可能性があるが、1隻分の構造物を複数の場所で製作している可能性もあり、追加確認が必要だ。

東海岸の清津造船所でも8月以降、同様の大型船体構造物が確認され、20日の衛星写真には新たな構造物が組み立てに向けて準備される様子が写っていた。南浦と清津で確認された船体構造物の幅は約19~21メートルと推定される。既存の5000トン級崔賢級駆逐艦は幅約16メートル、全長約144メートルで、新型艦はこれを上回る規模になる可能性がある。NKニュースは1万トン級巡洋艦の建造が進んでいる可能性を指摘した。ただし、船体の幅だけで最終的な排水量や艦種を確定することはできない。

キム・ジョンウン氏は6月の崔賢艦就役式で、毎年大型軍艦2隻を建造し、今後の艦艇は既存の駆逐艦より大型化する必要があるとの考えを示していた。ただし、北朝鮮は巡洋艦の建造計画や引き渡し期限を正式には発表しておらず、キム・ジョンウン氏も6月以降、軍艦建造計画について公に言及していない。

すでに建造された崔賢級駆逐艦2隻も、本格的な作戦活動には入っていないとみられる。南浦で建造された51号「崔賢」は20日時点でも進水式が開かれた貨物港にとどまり、9月に東海岸へ移動した52号「姜健(カン・ゴン)」も馬養島の海軍基地に停泊している。

さらに、大型軍艦を受け入れる海軍基地などのインフラ整備も課題だ。キム・ジョンウン氏は6月、大型新型艦を収容できる海軍基地が不足していることを認め、関連施設の建設に着手する方針を示した。NKニュースによると、現在、東海岸で大規模な海軍基地の建設とみられる動きが確認されており、基地に関連する可能性のある別の2カ所でも建設作業が進んでいるという。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News