ソウル市内の屋外広告=サムスン電子(c)news1
ソウル市内の屋外広告=サムスン電子(c)news1

【10月23日 KOREA WAVE】韓国の広告業界が、従来の広告・マーケティングだけでは成長に限界があるとして、新規事業の開拓を進めている。人工知能(AI)やデータを使った技術サービスから、映画・放送制作、知的財産(IP)事業まで領域を広げ、大企業からの広告受注を中心とする収益構造の転換を目指す。

サムスングループの第一企画は、AIで顧客企業の課題を解決する「マーケティング技術のパートナー」への進化を掲げる。2026年には、生成AIの回答に自社の商品やブランドがどの程度登場するかを分析する「第一GEOオーケストレーター」を発表した。GEOは「生成エンジン最適化」を指す。ChatGPT、Gemini、Perplexityなどでのブランドの露出状況を調べ、マーケティング戦略を提案する。情報収集の手段が、従来の検索エンジンからAIとの対話型検索へ広がる変化に対応したものだ。

第一企画は、グーグルやネイバー、メタ、カカオなどの媒体に合わせたバナー広告を自動生成する「VariAid」も展開する。繰り返し作業を自動化し、半日から丸一日かかっていた制作を5分に短縮できるという。このほか、広告・コンテンツ制作を効率化する「Connect AI」、店舗デザインの自動化、売り場担当者の店舗巡回ルート最適化、屋外広告の媒体マップなど、17の新規事業を推進している。

LGグループのHSADもGEO事業を拡大している。AI検索の分析をブランド戦略や広告表現、コンテンツ、媒体展開につなげ、独自の評価ダッシュボードやAI制作ツールを活用する。AIエージェントの作成から共有・運用、データ接続までを統合するマーケティング業務基盤「ダッシュ」も構築した。

文化コンテンツを軸とした事業拡大も進む。ロッテグループの大弘企画は、チケットの割引予約サービス「L.TICKET」を開始した。ミュージカル、演劇、子ども向け公演、レジャー、展示などの公式割引チケットを一カ所で比較・予約できる。今後はロッテグループの文化・余暇関連事業とも連携する。子会社のモバイルクーポンサービス「ギフティエル」を使い、公演前後に会場周辺で利用できるクーポンとチケットを組み合わせた商品などを提供する計画だ。

現代自動車グループのイノーションは、ブランドと映画制作者をつなぐ新たなコンテンツ基盤「シネマ・バイ・ブランド」を立ち上げた。映画内に商品を登場させる広告にとどまらず、企業の価値観や本質を映画の物語として伝える方針だ。

SMエンターテインメントのグループ企業SM C&Cは、音楽IPを中心とする事業モデルの拡大に力を入れる。2025年放送のSBS音楽番組「私たちのバラード」シーズン1に続き、2026年のシーズン2にも共同事業者として参加。出演者のマネジメント、楽曲、公演、グッズなどへ収益源を広げている。2026年下半期にはシーズン1の上位6組の楽曲を順次発表する予定で、K-POPの世界ツアーで培った経験を生かし、同番組の韓国全国ツアーの企画・演出も統括する。SM C&Cは「実績のある音楽IPを流通、著作権、公演、物販などの二次事業へ広げることが多角化の核になる」とし、音楽IP事業の本格化で着実な成長を目指すとしている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News