工場倉庫の火災現場で消火活動に当たる消防士(c)news1
工場倉庫の火災現場で消火活動に当たる消防士(c)news1

【10月23日 KOREA WAVE】韓国・京畿道富川市の工場火災で殉職したキム・ジンソク消防士を巡り、「遺族は宝くじに当たったようなものだ」という発言を目にした現役消防士が、危険な現場へ向かう仲間の胸の内をSNSにつづった。投稿には、家族の無事を願う消防士の妻らから切実な声が寄せられている。

この消防士は20日、自身のSNSで「誰かが『消防士が殉職すれば、家族は宝くじに当たったようなものだ。消防職員6万人が弔慰金を集めれば10億ウォン(約1億1800万円)になる』と言った」と紹介した。そのうえで「仕事中に亡くなると、全国の消防職員が少しずつ弔慰金を出し合い、遺族に届ける」と説明。「公務員が一生働いても貯められない大金だ。地方ならマンションを1戸購入でき、残ったお金で子どもを大学まで通わせることもできる」と記した。

続けて「だから私たちは『死ぬとしても、必ず消火活動中に死ななければ』と冗談のように言う。しかし、その冗談は本当は冗談ではなく、自分に言い聞かせる言葉だ」とつづった。「熱くても入らなければ。死ぬとしても消火活動中でなければ。消火活動中に死ねば、家族の心配はいらないから。勇気を振り絞るための言葉なのだ」と、現場に向かう心境を明かした。最後は「あなたの言う通り、私たちは“削れば100%当たる宝くじ”だ。そのおかげで、なかった勇気を振り絞って現場に飛び込める。死ぬとしても消火活動中でなければ。そう自分に言い聞かせる」と結んだ。

投稿には消防士の家族から反応が相次いだ。ある消防士の妻は「そんな宝くじはいらないから、夫に無事に帰ってきてほしいと願う家族の一人です」と書き込んだ。別の消防士の妻も「どうせ毎回買っても当たらない宝くじ。受け取らない方がずっといいです」と、夫の無事を願う思いを寄せた。弟が119救急隊員だという市民は「弟は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で、毎日、精神科の薬を飲んで出勤している。今も救えなかった患者さんたちの名前を胸に刻んでいる」と打ち明けた。

キム・ジンソク氏は16日、富川市の工場で発生した火災の消火活動中に殉職した。24時間勤務を終え、退勤まで残り約20分というところで出動し、命を落とした。19日には富川体育館で告別式が営まれた。イ・ジェミョン(李在明)大統領は17日に弔問し、故人に玉条勤政勲章を追贈した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News