鬱陵空港の完成予想図=慶尚北道提供(c)news1
鬱陵空港の完成予想図=慶尚北道提供(c)news1

【10月23日 KOREA WAVE】韓国・鬱陵島で進む鬱陵空港建設事業が、余剰土砂の処理や職員住宅の整備難航、開港の遅れなどに直面している。事業費は9000億ウォン(約1060億円)を超え、国会の国政監査でも問題となる見通しだ。国土交通省や鬱陵郡などによると、国会国土交通委員会は22日、韓国空港公社など空港関連機関への国政監査を実施し、23日には同省の総合監査を予定している。

新たに浮上したのは、工事で最大75万立方メートルの余剰土砂が発生する見込みとなった問題だ。15トンダンプカー約10万台分に相当する。当初は鬱陵邑沙洞里のカドゥ峰を削った土砂や石材を海面の埋め立てに使う計画だった。しかし、工事初期に本土から運んだ資材を先に使用し、埋め立て地の地盤沈下も想定より小さかったため、大量の土砂が余る見通しとなった。島内で処理できるのは全体の20~30%にとどまるとみられ、残りを本土へ搬出すれば、多額の輸送費が追加で必要になる可能性がある。

韓国空港公社が進める職員住宅の建設も、進入道路の問題で難航している。公社は2024年、沙洞里一帯の用地を49億ウォン(約5億7900万円)で購入。435億ウォン(約51億4000万円)を投じ、100戸の職員住宅を建てる計画だが、進入道路の幅が約3.5メートルしかなく、必要な道路の確保が課題となっている。用地購入時に鬱陵郡へ道路整備に関する資料を別途求めていなかったとされ、事前検討の妥当性も問われている。10月12日に公社社長と鬱陵郡守が対応を協議したが、費用負担などで合意に至らなかった。

工期と事業費も当初計画から大きく変わった。2020年の着工時には2025年末の完成を目指していたが、遅延が重なり、全体の完成は2029年末、開港は2030年にずれ込む見通しだ。総事業費は当初の4932億ウォン(約583億円)から、2026年6月時点で9059億ウォン(約1070億円)へ増加。増加額は4127億ウォン(約488億円)、増加率は83.7%に達した。

滑走路の安全性や航空需要の予測も論点だ。監査院は2025年、2050年の旅客需要について、国土交通省の予測107万8000人より49%少ない約55万人とする分析結果を示した。また、想定する航空機を50人乗りから80人乗りに大型化した一方、滑走路を1200メートルのままとした点を指摘し、安全性の改善を求めた。2024年には工事現場で土砂が崩れ、重機の運転手1人が埋まって死亡する事故も起きた。

島民の移動手段の確保と観光振興を目的とする国策事業だが、費用の急増と工期の遅れにより、計画の妥当性や管理・監督責任が問われている。島に住む60代の住民は「開港が何年も遅れる中、問題ばかりが明らかになっている。開港しても安全に利用できるのか心配だ」と話した。政界関係者も、計画や積算の不十分さが今後の予算や工事の質に影響しかねないと指摘した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News