【10月22日 AFP】世界中の右派政治家が、自身のポピュリズム路線の是非が試される緊迫した選挙を前に、フランス各地で発生した大規模暴動を取り上げ、移民が原因だと主張している。

生活費高騰などに抗議するデモから発展した大規模暴動と移民との関連は確認されていない。だが、フランスで発生した大規模暴動は、米国、スペイン、イスラエルの政治家の間で格好の話題になっている。

ドナルド・トランプ米大統領は19日、カンザス州で開かれた中間選挙に向けた集会で、フランスの大規模暴動を激しく非難し、「(フランスは)移民、イスラム過激派、共産主義者によって征服され、略奪され、焼き尽くされている」と訴えた。トランプ政権は、欧州の問題を米国内の文化戦争と結び付けようと繰り返し試みている。

11月の前倒し総選挙を前に支持拡大を狙うスペインの極右政党「ボックス(VOX)」のサンティアゴ・アバスカル党首も、フランス中部リモージュにある19世紀建造の市庁舎が炎に包まれる様子を映した動画を投稿し、「イスラム左翼」に警鐘を鳴らした。イスラム左翼とは、左翼思想とイスラム主義が、反資本主義・反欧米・反シオニズムなどの点で接近・提携している状態を指す批判的な言葉だ。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は21日、「フランスをだしにして選挙運動を行っている人々」や「外国の指導者を含む多くの人々によるばかげた発言」を批判した。

マクロン氏は具体的な名前を挙げなかったが、トランプ氏や、フランスが「イスラム過激派の侵略に屈した」と主張したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を念頭に置いた発言とみられる。

トランプ氏率いる共和党は11月の米中間選挙を前に逆風に直面しており、イスラエルでも来週、総選挙が行われる。

マクロン氏は「フランス人がどうしてフランスにこんなことをするのか」と疑問を呈し、暴動の責任は極左の過激派集団にあると非難した。

バンサン・ジャンブラン住宅相は、大規模暴動の参加者の多くが「労働者階級の居住地区の特定の狭いエリア」に住んでいると指摘した。

政治学者のパスカル・ペリノー氏はAFPに対し、参加者には「移民を背景に持つフランス国民」も含まれていたと説明した。

だが、そうした人々は暴動に関与した多様な人々の一部にすぎないという。

参加者には学生や革命思想を掲げる活動家、しばしば街頭での混乱を扇動する「ブラックブロック」と呼ばれる過激な集団も含まれていた。(c)AFP