AI搭載スマートグラスで読み取った修能の数学問題。正しく認識できていない=着用者の視界に表示された画面(c)news1
AI搭載スマートグラスで読み取った修能の数学問題。正しく認識できていない=着用者の視界に表示された画面(c)news1

【10月22日 KOREA WAVE】韓国で人工知能(AI)搭載スマートグラスによる試験不正への懸念が強まっている。news1が17日にソウル市内で試すと、声を出さずに問題を撮影し、約5秒で目の前に回答を表示する製品もあった。一方、難しい数学問題では誤答も確認された。音声で操作する製品では、スマートフォンに表示した数学の問題を見ながら「目の前の問題の正解を教えて」と話しかけると、内蔵スピーカーから返事が流れた。AIは解き方を説明し、答えを示した。

ソウル市中区の眼鏡店で試した音声型の製品は、外見では普通のセルフレーム眼鏡と大差なかった。つるがやや太く、両端にカメラとセンサーがあるものの、注意して見なければ区別しにくい。スマートフォンに接続すると音声でAIを呼び出せ、天気の確認や音楽再生、通話もできた。TOEFLの英語問題を見て正解を尋ねると、3秒もたたずに重要な文の翻訳、解説、答えが返ってきた。

一方、数学では誤答が続いた。記述式を選択式と勘違いし、やり直させても正解できなかった。シグマなど複雑な記号を含む問題は、読み取りや解法にも誤りがあった。この製品は画面を備えず、回答を音声で聞く方式だ。音量を最大にすると周囲にも一部聞こえたが、日常の雑音の中では目立たなかった。

別の店では、レンズ部分にディスプレーを備えた製品を試した。視界の中央に横長の画面が現れ、緑色の文字で時刻や天気が表示された。顔を動かしても表示位置は変わらない。タブレットに修能の数学問題を表示し、指輪型リモコンのボタンを3回押すと、カメラが問題を撮影してAIへ送信。「考え中」と表示された後、約5秒で回答が現れた。声を出さず、回答を音声で聞く必要もなかった。

ただ、こちらも難しい数学問題には誤答した。店員は、撮影角度を合わせる必要があり、小さな文字は認識しにくいと説明した。価格は音声型が66万~77万ウォン(約7万8100~9万1200円)、画面付きが99万9000ウォン(約11万8000円)。店側によると、旅行や撮影、翻訳、通話を目的とする購入者が多く、大学生は少ないという。

便利な機能の一方、試験での不正利用が懸念される。特に、音声操作なしで問題を撮影し、目の前に回答を表示できる点が課題だ。韓国では5月のTOEICで2件、7月の法学適性試験(LEET)でも着用者が摘発された。LEETの受験者は成績取り消しと4年間の受験制限を受けた。10月3日のソウル市立大学、10日の延世大学の小論文試験でも不正が発覚した。延世大学の受験生は、開始前に普通の眼鏡で検査を受け、その後スマートグラスに掛け替えたとされる。

教育省は11月の2027年度修能で、各時間に眼鏡着用者を確認する方針だ。AI眼鏡は所持だけでも当年の試験が無効となり、試験中に着用すれば翌年の受験資格も停止される。しかし、チェ・ギョジン教育相は7日の国政監査で、会場の環境によって電波探知機に誤作動が生じ得るため、今回の修能への導入は難しいと説明した。識別は事実上、監督者の目視に頼ることになる。

韓国AI教育協会会長のムン・ヒョンナム淑明女子大学教授は、目視だけで全てを発見するのは難しいと指摘。入室時、各時間の本人確認時、試験中の再確認を組み合わせるよう提言した。また、共通の機器識別資料や標準対応手順に加え、受験生の試験時間や集中力を不当に損なわない基準も必要だと強調。「軽量化や部品の小型化で外見からの識別はさらに難しくなる。現場での点検、技術検証、明確な制裁を併せて整えるべきだ」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News