労働新聞(c)news1
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【10月22日 KOREA WAVE】北朝鮮で数百席規模の大型焼き肉専門店が相次いで開業している。川沿いのテラスには屋外バーベキュー場、各テーブルには排気設備、建物の外壁には大型電子看板が備わる。北朝鮮メディアが最近紹介した店舗の光景だ。

労働新聞の報道を18日までにまとめたところ、9月7日の慈江道江界から10月9日の中朝ロ国境に近い羅先まで、33日間で数百席規模の焼き肉専門店12店が開業した。約3日に1店のペースで、両江道を除く8道の道庁所在地と、平壌、南浦、開城、羅先に整備された。平壌で登場した大型焼き肉店が地方の主要都市に広がり、外食の場も変わりつつある。

開業は江界に続き、9月8日に平城と新義州、その後は咸興、清津、元山、沙里院へと広がった。10月には海州、開城、南浦、平壌の牡丹峰でも竣工が伝えられた。羅先では朝鮮労働党創建81年の記念日前日に営業を始めた。

店舗の規模も大きい。咸興は延べ床面積約2970平方メートル、沙里院は約2800平方メートル、平城は約2400平方メートルに上る。江界には広いホールと家族用の個室、テラスの屋外バーベキュー場が設けられた。多くの店が焼き肉とともに冷麺や清涼飲料を提供する。咸興では、ジャガイモのでんぷんで作るコシの強い郷土料理「ノンマグクス」も紹介された。韓国の咸興冷麺の原型とされる料理だ。

立地にもこだわり、江界は将子江、沙里院は景岩山、開城は子男山、平壌は牡丹峰の麓に店を構えた。開城や南浦の店は夜間にライトアップされる。最初の客には朝鮮戦争の参戦者や傷痍軍人、模範的な労働者らが招かれ、一部の都市では一般市民も食事を楽しんだ。

外食ブームの発信地は平壌だ。2024年には和盛地区に「和盛大同江ビアホール」が開業し、2026年7月には噴水や4階の屋外飲食スペースを備えた「東平壌大同江ビアホール」も登場した。焼き肉店も平壌が先行した。北朝鮮の対外宣伝メディア「ネナラ」は、2025年に和盛地区で開業した「和盛楽園焼き肉店」が、サムギョプサルやプルコギからフォアグラ料理まで約200種類を提供すると宣伝した。同様の店が約1年で地方に広がった形だ。

韓国統一研究院のチョン・ウンミ人権研究室長は14日公表の報告書で、焼き肉専門店を「食べる空間であると同時に、見せる空間」と分析した。平壌型の施設に地域の景観や特色を取り入れ、住民に地元への誇りを抱かせる狙いがあるという。また、市場化に伴い成長した地方の「新中間層」の購買力にも着目。国家がその消費を取り込み、収入を増やしながら市場を抑制する意図があるとみている。

ただ、華やかな店が増えても、全住民の食生活が改善するわけではない。報告書が引用した脱北者調査では、2019年の北朝鮮居住時に肉を毎日または週1~2回食べていた割合は、自らを上層とした人では81.8%だったが、下層では6.7%にとどまった。下層の30%は年1~2回しか肉を食べていなかった。

大韓貿易投資振興公社によると、2025年の北朝鮮の食肉輸入額は約3897万ドル(約61億6000万円)で、2019年の4.3倍だった。チョン・ウンミ氏は新店舗も輸入肉への依存が大きい可能性を指摘。配給ではなく飲食店を介した肉の消費が階層間の格差を広げ、弱い立場の人々の食料確保を難しくしかねないとした。「全ての人民が白米と肉のスープを食べ、絹の服を着て瓦屋根の家に住む」という北朝鮮の目標についても、「住民の大多数の食卓に肉のスープが上ることは、なお実現していない」と指摘した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News