【10月21日 AFP】イラン最高安全保障委員会のモフセン・レザイ事務局長は20日、同国を訪問しているパキスタンのアシム・ムニル陸軍参謀長に対し、核物質の国外搬出は認めないと伝えた。イラン国営テレビが報じた。

レザイ氏は「濃縮された核物質は、たとえごくわずかであってもイラン国外には持ち出さない。こうした物質はイラン国民にとって重要な資産であり、国の財産だ。国内で使用するためのものだ」と述べた。

さらに、「米国が信頼醸成に向けた措置を講じるまで交渉は行わない。その第一歩は、イラン側が提示した条件を満たすことでなければならない」と付け加えた。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領も、ムニル氏との会談で、米国の脅迫を受けながら交渉する考えを否定した。「ムニル氏は、イランと米国の和平合意に向けた仲介の取り組みを再開する一環として、テヘランを訪れている

ペゼシュキアン氏は「米国はまず脅迫と制裁を撤廃しなければならない。対話ができるのはその後だ」とし、「現在、わが国の国民は米国を信用していない。交渉に入れば、米国は再びわれわれを攻撃すると考えている」と語った。

イランの首席交渉担当者で国会議長のモハマドバゲル・ガリバフ氏も、ムニル氏に同様の見解を伝えた。

ガリバフ氏は「われわれが新たに述べることは何もない。米国が七つの条件を満たさない限り、イランの信頼を得ることはできない」と述べ、「脅迫や軍事的な示威行動がイランの戦略的決定に影響を与えることはない」と強調した。

イランが提示している条件には、中東全域での停戦、国外で凍結されているイラン資産の凍結解除、石油部門に対する制裁の解除などが含まれている。

中東での紛争は2月下旬、米国とイスラエルがイランに対して一連の奇襲攻撃を開始したことをきっかけに勃発した。当時、米国とイランはイランの核開発計画をめぐる交渉の最中だった。

米国とイランは6月、紛争の恒久的な解決に向けた枠組みを構築すると期待された覚書に合意したが、合意は長続きしなかった。

それ以来、交渉は事実上行き詰まっており、最近、国連総会に合わせて行われた米国とイランの間接協議でも進展は見られなかった。

イランはこれまで、60%まで濃縮した核物質をいかなる国にも引き渡さないとの立場を維持してきた一方、国内で濃縮度を引き下げる可能性は示唆していた。核兵器級ウランの濃縮度の目安は90%とされる。

米国とその同盟国は、イランが核兵器の開発を目指していると非難し、同国に対して度重なる制裁を科してきた。イラン側は核兵器開発の意図を一貫して否定している。(c)AFP