【10月23日 東方新報】秋になると、中国・雲南省(Yunnan)大理市(Dali)の洱海では、生態系を整えるための魚類捕獲作業が行われる。夜の湖面には漁船の明かりが点々と浮かび、まるで星空のような光景が広がる。大理市洱海管理局によると、2026年の魚類生態調整作業が9月15日から本格的に始まった。

洱海で行われる魚類の生態調整は、一般的な漁業とは目的が異なる。科学的な管理によって魚類の個体群構成を適正化し、湖の生態機能を回復させることが目的だ。魚類の構成を調整することで水生植物や動物プランクトンの回復を促し、湖内部から生じる汚染を抑え、水質改善につなげる。

今年は611隻の漁船が作業に参加している。「1隻につき1許可証」の管理を徹底し、すべての漁船に資格を持つ漁業者が乗船して、定められた方法で捕獲作業を行っている。

大理市洱海管理局の鄭国輝(Zheng Guohui)副局長によると、湖面を彩る漁船の明かりは、もともと魚を光で誘い寄せて捕獲するためのものだが、思いがけず幻想的な景観を生み出したという。

現在、洱海の水質は安定して改善しているものの、水生生態系は依然として不安定な回復過程にある。湖ではワカサギ類やシラウオ類など外来の小型魚が増える一方、在来魚が減少している。また、成長したハクレンやコクレンは藻類を抑える能力が低下し、コイやフナなど湖底付近に生息する魚が底泥をかき乱すことで、湖内部からの汚染を悪化させ、生態系のバランスに影響を与えている。

こうした魚類を科学的かつ計画的に調整することで、魚類群集の構成を改善し、水生生態系を修復するとともに、水質の安定的な向上を図る。また、漁業者の収入増加にもつなげ、環境保全と地域経済の両立を目指す。

今回の生態調整は「中華人民共和国漁業法」と「雲南省大理ペー族自治州(Dali Bai Autonomous Prefecture)洱海保護管理条例」に基づいて実施されている。水資源、水環境、水生態系を一体的に管理する方針のもと、洱海の生態系を修復し、湖の環境保全を進める。

今年の作業は対象となる魚種ごとに期間を分けて実施される。外来小型魚の調整は9月15日~10月8日と11月20日~12月5日、コイ、フナ、ハクレン、コクレンは10月10~30日が対象期間となる。作業時間はいずれも午後7時から翌朝8時まで。使用する漁具や作業水域も厳しく制限し、魚類の構成を調整しながら、ほかの水生生物への影響をできる限り抑える。

洱海とともに暮らしてきた漁業者たちは、湖の環境の変化を長年見つめてきた。大理市満江街道夏家村に住む夏国兆さん(50)も今年、家族とともに生態調整の捕獲作業に参加した。

「毎年、生態調整に参加している。一晩で多い時には500~600斤(約250~300キロ)の魚を捕ることもある。生態調整によって湖の水がますますきれいになり、洱海をより良い状態で守っていければうれしい」と夏さんは話す。

湖面に浮かぶ一つ一つの漁火は、作業のための明かりであると同時に、洱海の環境を守る取り組みを象徴する光にもなっている。(c)東方新報/AFPBB News