ソウルの政府庁舎で記者会見する韓国外務省のパク・ドゥスン報道官=2026年10月15日(c)news1
ソウルの政府庁舎で記者会見する韓国外務省のパク・ドゥスン報道官=2026年10月15日(c)news1

【10月21日 KOREA WAVE】韓国政府は、北朝鮮兵捕虜の韓国移送を公表したことをめぐり対立するウクライナから、大使館職員の約半数を撤収させると決めた。10月8日にパク・キチャン駐ウクライナ大使を召還したのに続く措置で、ウクライナ側の対応次第では対立がさらに長引く可能性がある。

韓国外務省のパク・ドゥスン報道官は20日の定例記者会見で、大使召還後もウクライナ側に前向きな対応が見られず、全土で空襲の脅威が続き、安全確保が難しいことなどを考慮して、一部職員の撤収を決めたと説明した。同省当局者によると、撤収するのは職員の約半数。外交慣例と安全上の理由から、職員の総数や具体的な撤収人数は明らかにしなかった。時期も未定で、現地の安全状況やウクライナ側との協議の経過を踏まえて決める。撤収方針は発表前にウクライナ側へ伝えたという。

韓国政府は、今回の決定には外交上の対応と職員の安全確保という二つの要因があるとしている。同省当局者は「最近、ミサイルやドローンによる無差別空襲の危険が高まり、防空網も事実上崩壊した状態だ」と述べ、職員の安全を保証するのが難しい状況が続いていると説明した。

一部職員の撤収後も、臨時代理大使を中心に両国間の外交上の意思疎通は続ける。政務・領事業務を担う中核要員は現地に残り、特に領事担当者は全員が残留して在留韓国人の保護に当たる。

ウクライナに滞在する韓国人と大使館職員は計85人。政府は毎日の安否確認で避難の意向を改めて確かめ、希望者には撤収する職員より先に、遅くとも一緒に避難できるよう支援する。最近、一部の在留韓国人にポーランドなど周辺国への避難を勧めたが、現時点で希望者はいないという。同省当局者は、現地に家族や生活基盤があり、残留を望む人の自発的な意思を尊重するとしたうえで、必要な職員が残り、保護に万全を期すと述べた。

両国の対立の発端は、ウクライナのゼレンスキー大統領が9月23日、ニューヨークでの国連総会演説で、北朝鮮兵捕虜2人を韓国に移送した事実を公表したことだ。韓国政府は両国間の非公開合意に反するとして、正式な謝罪と再発防止を求めたが、ウクライナ側は応じていない。

韓国政府は、明確な説明と謝罪、再発防止を求める立場を維持している。同省当局者は、ウクライナ側に前向きな措置がなければ、撤収した職員の復帰を決めるのは難しいとの認識を示した。

一方、大使館の完全撤収や駐韓ウクライナ外交官の追放といった、さらなる強硬措置は現時点で検討していないと説明した。同省当局者は「措置を重ねること自体が目的ではない」とし、ウクライナ側が韓国政府の厳しい立場を受け止め、前向きな措置を取り、両国間の信頼を回復することが最終目標だと強調した。

韓国政府は、今回の外交対立とは切り離し、ウクライナへの人道支援を従来通り続ける方針だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News