10月15日に開かれた「2026咸安落火ノリ・スペシャルデー」=咸安郡提供(c)news1
10月15日に開かれた「2026咸安落火ノリ・スペシャルデー」=咸安郡提供(c)news1

【10月20日 KOREA WAVE】韓国・慶尚南道咸安郡の伝統的な火の祭り「落火ノリ」が、日本人旅行者の新たな訪韓目的として注目を集めている。日本の大手旅行会社が相次いで観覧ツアーを販売し、特別観覧行事の日本人参加者は2024年の500人から、2026年には1500人へと3倍に増えた。

韓国観光公社によると、10月15日に無尽亭で開かれた「2026咸安落火ノリ・スペシャルデー」には、日本の旅行会社26社が計35の旅行商品を販売した。JTB、HIS、阪急交通社、読売旅行、クラブツーリズムなどが参加した。JTBは落火ノリ観覧と慶州・釜山を組み合わせた4日間の商品を、阪急交通社は晋州南江流灯祭りも巡る4日間の商品を販売。HISも地方都市を周遊し、落火ノリを観覧する3泊4日などのツアーを用意した。

背景にあるのは、訪韓リピーターの関心の変化だ。阪急交通社は「韓国を何度も訪れ、ソウルや釜山など有名観光地をすでに知っているお客さまが多い。聞いたことのない地域で歴史ある祭りを体験できる点が、関心につながったようだ」と説明する。韓国観光公社、咸安郡、慶南観光財団は2024年から、日本人向けの特別観覧行事を運営してきた。参加者は2025年に1000人、2026年に1500人となり、2026年は約85%が落火ノリ観覧を主目的に訪韓した。既存の韓国旅行に観覧を追加するオプショナルツアーの利用者も230人いた。地方の祭りが、旅行の付加的な日程から訪韓を決めるきっかけへと変わりつつある。

販売地域も広がっている。東京や大阪に加え、福岡、広島からも参加者が集まった。阪急交通社は「開催を重ねるにつれ、社内でも販売拠点が増えている。来年も開催されるなら販売規模をさらに拡大したい」としている。咸安での滞在時間にも変化が見られる。初回に比べ、地元で食事をしたり、末伊山古墳群や咸安博物館を訪れたりする日本人団体が増えた。今回は住民主体の観光事業者5組と若者が経営する企業4社が会場に出店。提供する飲食物や記念品にも地元企業の商品を採用し、地域内での消費を促した。

咸安郡の担当者キム・ミファ氏は、文化遺産の無尽亭の池を中心に繰り広げられる景観が強みだと指摘する。「他地域では河川や市街地でクレーンを使う例もあるが、咸安では降り注ぐ火花そのものが主役。観客が無尽亭を囲んで眺める光景は独特だ」と説明した。韓国観光公社は、日本で確認した観光商品としての可能性を台湾や香港にも広げ、両市場で落火ノリを組み込んだ訪韓商品を開発・販売している。

一方、誘客拡大には受け入れ環境の改善が欠かせない。咸安郡内には日本人団体が泊まれる施設が十分になく、旅行会社は釜山や大邱などを宿泊拠点としている。韓国観光公社のチョン・ソギン国際観光本部長は「参加者は500人から1500人に増えたが、今後も同じ方式だけでは続けられない。グローバルデーへの拡大や祭り形式への発展などを考えている」と述べた。そのうえで「交通など不便な点も残っており、地域の受け入れ環境とのバランスを取る必要がある」とした。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News