京畿道義王市にある現代ロテム本社=同社提供、資料写真(c)news1
京畿道義王市にある現代ロテム本社=同社提供、資料写真(c)news1

【10月20日 KOREA WAVE】韓国の現代ロテムが、現代ウィアの特殊事業部門を3584億ウォン(約426億円)で買収する。現代自動車グループの地上装備に関する防衛事業を集約し、K2戦車などの生産・供給網を一体化して輸出競争力を高める計画だ。現代ウィアは防衛事業から撤退し、電動化やソフトウエア定義車両(SDV)など、次世代モビリティー分野に経営資源を集中する。売却代金も新規事業への投資に充てる。

現代ロテムは10月19日、買収契約を締結したと発表した。両社は、それぞれの主力事業の競争力を強化するため、今回の再編を進めた。現代ウィアの特殊事業部門は、韓国で唯一、砲身を製造している。現代ロテムが手掛ける戦車や装甲車、多目的無人車両などと組み合わせ、防衛事業の競争力向上につなげる。現代ロテムは、生産体制の垂直統合によって価格競争力を確保し、納期も改善できるとみている。輸出先で現地生産できる品目も増やす構想だ。同社は現在、ペルーやイラク、ルーマニアなどへのK2戦車輸出を推進している。

買収は、特殊事業部門全体を引き継ぐ事業譲渡方式で実施する。資産や負債、人員、知的財産権などが現代ロテムに移り、全従業員の雇用を承継する。取引完了後には生産工場も移転する計画だ。

事業価値は4800億ウォン(約571億円)と評価された。両社は外部評価機関を通じ、将来見込まれるキャッシュフローを現在価値に換算する方法で算定した。そこから譲渡対象に含まれない不動産1170億ウォン(約139億円)と、純資産の調整額46億ウォン(約5億4700万円)を差し引き、買収額を決めた。生産施設の土地と建物は現代ウィアの昌原工場敷地内にあるため、取引対象から除外した。

現代ウィアは、防衛事業が短期的には収益を確保しているものの、グループの中長期戦略との関連性は限られると判断した。売却代金は等速ジョイント、熱管理システム、ロボットなどの成長分野へ再投資する。同社は9月末、スロバキアのマルティン市で新工場を稼働させ、等速ジョイントと冷却水モジュールの量産を本格化した。今後の投資で現地法人の等速ジョイントの生産能力を最大5倍に引き上げ、生産品目も広げる方針だ。

サンサンイン証券のユ・ミンギ研究員は「高収益部門の売却による短期業績への影響は避けられない」とする一方、「売却資金を新規事業に活用することで、長期的な成長力を強化できる」と評価した。買収手続きは11月27日の現代ウィア臨時株主総会などを経て、2027年3月31日に完了する予定だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News