刃物による襲撃事件から2日後、閑散とする仁川市南洞区の大型商業施設の飲食店街=15日(c)news1
刃物による襲撃事件から2日後、閑散とする仁川市南洞区の大型商業施設の飲食店街=15日(c)news1

【10月20日 KOREA WAVE】韓国・仁川市南洞区九月洞の大型商業施設で、刃物を振り回す男に立ち向かい、被害の拡大を防ごうとした店主らに応援の輪が広がっている。事件後、強い精神的苦痛を訴える店主らを支えようと、市民が店を訪れたり、出前を注文したりしている。

SNSやオンラインコミュニティーでは16日、「刃物男を取り押さえた店主たちの店で、たくさん買って応援しよう」と呼び掛ける投稿が相次いだ。

事件当時、うどんをゆでていた30代の飲食店主は、客が襲われるのを見てトレーを投げ、制止に入った。「客たちが逃げ惑う姿を見て、台を投げ、そのまま男を追いかけた」と振り返った。

60代のサムパプ店主も男を止めようと飛び出した。サムパプは、ご飯を葉野菜などで包んで食べる料理。店主は3階へ逃げる男に向かって椅子を投げ、逃走を阻もうとした。

しかし、危険を顧みず行動した店主らには、当時の記憶が深い傷となって残っている。サムパプ店主は「頭の中にあの記憶が鮮明に残っている。昨日は妻も十分に眠れなかった」と苦しさを明かした。

取り押さえるのに加わったゲーム専門店の店主も、精神科を受診している。「あの時のことが頭から離れない。もう少し早く取り押さえていれば、被害を防げたのではないかと思う」と自分を責めた。

こうした状況が伝わると、市民が商業施設を訪れ、店の利用を通じて支援する動きが始まった。昼食時には近隣の会社員や住民が飲食店を訪れ、常連客は料理の写真をSNSに投稿して来店を呼び掛けた。

ネット上でも店舗の住所が共有され、「こういう店でこそ、たくさん買って応援したい」「勇気ある人たちを忘れないでいよう」「もっと通って食事をしたい」「少しでも力になりたい」といった声が寄せられた。

警察は、事件当時、市民5人が鉄製の椅子などを手に男に立ち向かったと把握し、表彰を検討している。仁川市も独自の表彰を検討するとともに、政府にも表彰を要請した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News