ソウル市内の大型スーパーでラーメンを購入する外国人観光客(c)news1
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【10月20日 KOREA WAVE】韓国の農水産食品輸出が過去最短で100億ドル(約1兆5000億円)を突破した。ラーメンやキムチなどの加工食品に加え、イチゴやブドウ、ナシといった生鮮農産物も海外で販路を広げており、輸出が国内農家の新たな成長の機会として注目されている。

韓国農水産食品流通公社(aT)によると、2026年の農水産食品輸出額は、2025年より19日早い年初から253日で100億ドルを超えた。2021年に初めて年間100億ドルを突破して以降、達成時期は毎年早まっている。

背景には、自由貿易協定(FTA)による貿易基盤の拡大がある。韓国は現在、60カ国・地域との間で計23件のFTAを締結・発効させている。2004年のチリとのFTAをはじめ、米国、中国、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの取引環境を整備。2022年に発効した地域的な包括的経済連携(RCEP)やカンボジアとのFTAなどを通じ、市場の多角化を進めてきた。

米国向け輸出は前年同期比12.9%増の18億1448万ドル(約2722億円)、中国向けは14.0%増の16億6966万ドル(約2504億円)となった。従来の主要市場に加え、中東や欧州でも輸出が伸びている。

品目別では、ラーメンが27.2%増の13億760万ドル(約1961億円)。イチゴは15.5%増の6098万ドル(約91億4700万円)、ブドウは64.6%増の4518万ドル(約67億7700万円)だった。味付けのりとカキも、それぞれ8.0%、8.2%増えた。

生鮮農産物では、韓国で育成したブドウの新品種「レッドクラレット」や「グローリースター」が代表例だ。輸出に取り組む農家は、ベトナムから米国、カナダへと販路を拡大。海外消費者が求める品質や保存・物流条件に対応し、国内生産と海外販売を結ぶ経営モデルを築いている。

ブドウは高級果物への需要を背景に台湾向けが拡大し、ナシは作柄の回復に伴って米国向け輸出が2.5倍以上に増えた。マクワウリも、日本の単身世帯の増加に合わせ、手ごろな価格の小ぶりな果物という需要を捉えて輸出を伸ばした。

ただ、FTAの締結がそのまま輸出の増加につながるわけではない。原産地証明や輸出数量の確保、通関・物流に加え、国ごとの検疫・認証基準、残留農薬規制などへの対応が必要になる。

輸出競争力も、生産量や価格だけでなく、品種開発から品質管理、検疫対応、保存・物流、現地流通網の確保、販売促進までを一連の過程として結び付ける力が問われている。

政府とaTは、戦略品目の育成、新興市場の開拓、海外流通網の拡大、非関税障壁への対応などを支援する。2026年下半期には、ブドウの年間輸出額1億ドル(約150億円)を目指し、大型小売店への出店や現地での販売促進を進める。検疫交渉がまとまった市場では、新たな輸出品目も探る計画だ。

今後は一部の人気商品だけでなく、より多くの農家がFTAや支援制度を活用し、海外販路を開拓できるかが課題となる。「どれだけ生産するか」に加え、「どれほど広い市場で販売できるか」が、韓国農業の競争力を左右しつつある。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News