【10月22日 東方新報】かつて外国人観光客の中国旅行といえば、北京市の故宮(紫禁城、Forbidden City)や天壇公園(Tiantan Park)、万里の長城(Great Wall of China)、天安門広場(Tiananmen Square)、上海市の外灘(バンド、Bund)や東方明珠テレビタワー(Oriental Pearl Radio & TV Tower)など、定番の観光地を巡るのが一般的だった。広州や西安、成都、杭州まで足を延ばす人は、中国旅行に慣れた観光客といえた。

その後、240時間のトランジットビザ免除政策が導入され、対象となる外国人旅行者は24の省・自治区・直轄市の指定区域内で、省をまたいで最長10日間滞在できるようになった。これにより、中国各地をじっくり巡る旅行がしやすくなった。

現在、中国を訪れる外国人観光客の旅行スタイルは、さらに多様化している。9000ドルを支払って中国のハイテク工場を見学するツアーに参加する人がいる一方、海外のSNSでは、中国で購入した商品を紹介する「China Haul(中国での購入品紹介)」が話題となっている。買い物のためにスーツケースを3個持って訪中するスタイルも、一部の外国人観光客の間で広がっている。

観光の目的が従来の名所巡りからハイテク工場の見学へ、買い物の対象もデジタル製品から中国伝統医学に基づく健康関連商品へと広がる中、中国のインバウンド観光には新たな変化が見られる。

ビザ免除政策の効果が続くなか、国境を越えた旅行需要は高まり、中国各地の出入国地点では外国人旅行者の入国が増えている。近年は中国の伝統文化も海外で人気を集めており、今年の中秋節休暇には、中国文化をより深く体験しようと多くの外国人観光客が訪れた。アルジェリアから訪れたアイマンさんは「中国はほとんど巡った。中国はとても面白く、来るたびに新しい発見がある。今回は中秋節なので、友人や家族への贈り物をたくさん買った。特に月餅を多く購入した」と話した。

海外のSNSでは、中国の観光地紹介だけでなく、買い物に関する投稿も高い人気を集めている。ドローンやアクションカメラ、折りたたみスマートフォンなどのハイテク製品から、バッグ、衣類、アロマ製品など中国ブランドの商品まで、購入する品目は幅広い。

外国人観光客の中には、空のスーツケースを持って中国を訪れ、買い物を楽しむ人もいる。さらに、効率よく商品を購入するため、中国のECプラットフォームを利用し、注文した商品を滞在先のホテルに配送してもらい、帰国時にまとめて持ち帰る方法も広がっている。

英国から訪れたジェームズ・ロバートさんは「とても便利だ。すべてスマートフォンのアプリで済み、操作も数分で終わる。ホテルまで届けてくれるし、配送も本当に速い」と話す。スロベニアから訪れたダニエルさんも「中国はとても興味深い国だ。新しい技術が多く、物事の進歩が非常に速い一方、長い歴史もある。衣類やお茶、おもちゃを買ったが、店も商品も多すぎる。荷物には限りがあるのに、選択肢が多すぎて困るほどだ」と語った。

一方、中国の伝統的な健康文化を体験したり、関連商品を購入したりする外国人観光客も増えている。中国伝統薬の成分を使った石けんや、もぐさを使う温熱療法「灸(きゅう)」の関連商品、薬膳料理などが人気を集め、「医療・観光・ショッピング」を組み合わせた新たな旅行スタイルも専門性を高めつつある。

ロシアの旅行会社アヤックスのゼネラルマネジャー、クロジャ・オリカ氏は「中国伝統医学を取り入れた美容サービスはロシア人女性にとって非常に魅力的で、関連商品も観光客に人気がある。この分野の発展に期待しており、今後の協力が順調に進むことを願っている」と話した。

従来の観光地巡りや買い物に加え、中国の技術発展を間近で体験できるスマート工場の見学も、外国人観光客の間で新たな人気を集めている。ある自動車メーカーのスマート工場では、最先端の製造技術や自動化された生産ラインが海外からの見学者を驚かせた。

ブラジルから訪れた観光客は「工場では、数多くのロボットが効率よく動く様子や部品の製造工程、溶かした金属を使って車体部品を一体成形する工程を見ることができた。すべてが本当にすごかった」と興奮した様子で語った。

中国を訪れる外国人観光客の関心は、歴史的な名所や観光スポットだけでなく、買い物、伝統文化、健康サービス、先端技術の体験へと広がっている。こうした変化は、中国のインバウンド観光が、名所を巡る旅行から多様な体験を楽しむ旅行へと進化していることを示している。(c)東方新報/AFPBB News