スーツケースを引いてソウル・明洞を歩く外国人観光客=2026年9月28日(c)news1
スーツケースを引いてソウル・明洞を歩く外国人観光客=2026年9月28日(c)news1

【10月17日 KOREA WAVE】韓国で宿泊に関する苦情や不当な高額請求の申告が急増する一方、政府の監視体制では、消費者がオンライン予約サイトで実際に支払った金額など、重要な取引情報を把握できていないことが問題となっている。

政府は2027年、全国の宿泊情報を集約するシステムの構築に15億8500万ウォンを投入する予定だ。しかし、最終的な決済額を確認できなければ、実効性ある対策になるのか疑問が残る。

国会文化体育観光委員会のキム・ジェウォン議員が韓国観光公社から受け取った資料によると、2026年1~8月の観光関連の苦情は2122件で、すでに2025年通年の1744件を上回った。

宿泊関連が789件、全体の37.2%で最も多く、2025年通年の313件の約2.5倍に達した。突然の予約取り消しや過大な違約金をめぐるトラブルは480件で、前年の88件の約5.5倍に増えた。

一方、観光公社の価格調査は、政府の宿泊割引券事業に参加する施設の10%を無作為に選び、事業実施の前後2週間の価格を比較する程度にとどまる。

調査対象が限られ、オンライン旅行会社(OTA)ごとに客室料金や条件も異なるため、不当な値上げかどうかを判断しにくい。観光公社が委託した研究でも、OTA間の商品情報の不一致と、実際の決済額を確認できないことが監視体制の重大な限界として指摘された。

新たな「宿泊情報統合プラットフォーム」は、ホテルやモーテルなどの料金・予約状況を集め、管理・分析し、外国人観光客にも情報を提供する構想だ。

ただし、計画は宿泊施設の客室管理システムと連携して情報を収集する方式が中心となっている。

宿泊施設が設定する基本料金と、消費者がOTAで実際に支払う金額には差がある。クーポン割引、決済手数料、朝食の有無、キャンセル・返金条件などによって、最終価格が大きく変わるためだ。

施設内部の情報だけでは、消費者が接する価格や取引条件は把握できない。予約を急がせる虚偽・誇大表示などの「ダークパターン」も、実際の販売画面と連携しなければ見抜くことが難しい。

海外OTAへの強制力がないことも障壁だ。現行の監視は参加業者の自主的な協力に依存しており、料金、予約、キャンセルのデータを強制的に提出させる法的根拠がない。

キム・ジェウォン氏は、OTAが保有する客室料金、商品条件、予約・キャンセル状況などを定期的に提出させる法的根拠の整備を検討している。

焦点は、トリップドットコム、アゴダ、ブッキングドットコムなど、海外に本社を置く事業者にも同じ義務を実効性ある形で適用できるかだ。

国内企業だけが規制対象となれば、海外企業との不公平が生じる。海外企業が提出を拒んだ場合に、強制や制裁の手段がなければ、監視の空白は残る。

キム・ジェウォン氏は「不当な宿泊料金をなくすには、施設側の料金だけでなく、消費者が実際に支払う額と予約・キャンセルの過程まで確認する必要がある」と強調。「国内外のOTAに実効性を持って適用できる資料提出の根拠を設け、価格監視の盲点をなくすべきだ」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News