在韓米軍のジェイビア・ブランソン司令官=2026年9月17日(c)news1
在韓米軍のジェイビア・ブランソン司令官=2026年9月17日(c)news1

【10月16日 KOREA WAVE】在韓米軍のジェイビア・ブランソン司令官が、戦時作戦統制権の韓国への早期移管に連日、慎重な姿勢を示している。9月の米韓首脳会談を受け、11月の米韓安保協議で移管に向けた大きな進展が期待されていた韓国側との温度差が浮き彫りになった。

ブランソン氏は米ワシントンで14日、移管自体には賛成するとしながらも、「条件が変わり、われわれの計画も変わったため、新たな基準が生まれた」と強調した。北朝鮮の軍事的脅威がこの2~3年で高度化したことを踏まえ、韓国軍の能力を改めて評価すべきだとの趣旨と受け止められる。

13日の米戦略国際問題研究所(CSIS)での対談でも「時間も条件の一つ」と発言。年内に移管年を設定したい韓国側との立場の違いを示した。「必要な能力を備えずに移管した場合のリスクを、米大統領と国防長官に報告する」とも述べた。4月の米下院軍事委員会の公聴会では、2029年1~3月までに移管条件を満たすための工程表を米国防総省に提出したと説明していた。

韓国大統領府は9月22日の首脳会談後、イ・ジェミョン(李在明)大統領とトランプ大統領が移管問題を重点的に協議し、トランプ氏の理解が深まったと説明した。しかし、ブランソン氏の発言からは、米側が新たな条件を求めている可能性がうかがえる。

移管には、韓国軍が主導する将来の連合軍司令部の能力を3段階で検証する必要がある。現在は2022年に評価を終えた完全運用能力(FOC)の検証が進んでいるが、米側が評価のやり直しを求めているとの解釈も出ている。

韓国国防省のチョン・ビンナ報道官は15日、米韓が合意した条件を満たした時点で移管する原則に変わりはなく、残る相違点を安保協議までに解消すると説明した。ただ、協議は12月に延期される可能性もあるという。

チョン・ビンナ氏は条件変更の必要性を問われると、個人的見解と断ったうえで「ゴールポストを動かし続ければ、永遠に移管できないと思う」と発言。米側への不満をにじませたとの見方が出た。その後、米側が条件変更を望んでいるという仮定に対する意見であり、省の公式見解ではないと改めて説明した。

カン・シンチョル(姜信哲)国防相も、米韓で見解が異なる部分があると認めている。能力評価には定量的、定性的な両要素があるとしており、高官間の政治的な意思疎通による調整が必要との認識を示したと受け止められている。

専門家からは、米国が対中抑止や在韓米軍の「戦略的柔軟性」を強化するため、移管を交渉材料にしているとの分析も出ている。ブランソン氏は訪米中、長距離精密攻撃や情報、サイバー、電子戦能力を組み合わせた多領域任務部隊(MDTF)を朝鮮半島に配備する有用性も強調した。

米国は韓国軍に北朝鮮の通常戦力への防衛を主導させ、米軍を柔軟に運用したい考えとされる。一方、韓国には対北朝鮮抑止力の低下への懸念がある。国防費増額をめぐる相違も含め、移管、MDTF、国防費が一括交渉される可能性が指摘されている。

ただ、ブランソン氏は政策決定者ではなく、軍人として準備不足を懸念している可能性もあり、発言の過大解釈を戒める意見もある。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News