韓国、K-POP公演で訪韓客の滞在・消費拡大…5万席会場の採算に課題
このニュースをシェア
【10月16日 KOREA WAVE】K-POP公演が、韓国を訪れる外国人観光客の滞在と消費を押し上げている。グループ「BTS(防弾少年団)」のコンサートを目的に訪韓した外国人は平均8.7日滞在し、353万ウォンを消費。一般の訪韓客の6.1日、245万ウォンを上回った。ただ、特定の人気アーティストによる一時的な需要を、持続的な観光振興につなげられるかが課題だ。
韓国文化体育観光省などによると、3月のソウル・光化門広場でのBTS復帰公演と、4月の高陽総合運動場でのワールドツアーでは、大きな観光誘致効果が確認された。
高陽公演の際、会場近くの大化洞では外国人訪問者が前年同期の35倍、カード消費額が38倍に増加。「BTS THE CITY SEOUL」を介し、龍山や明洞、東大門デザインプラザなどにも観光客の行動範囲が広がった。
釜山市が6月のワールドツアーに合わせて展開した「BTS THE CITY ARIRANG BUSAN」には、国内外から3万1583人が訪れ、外国人が76%を占めた。訪問者の78.3%が2泊3日以上滞在し、海雲台や広安里、甘川文化村、チャガルチ市場などを巡った。
一方、大型公演がない期間にも外国人需要を確保できなければ、単発の特需にとどまる恐れがある。
大衆文化交流委員会のパク・ジニョン共同委員長は10月7日の国会国政監査で、K-POPの世界的な人気拡大について、業界関係者が「このあたりで限界に達した」との認識を共有するようになったと述べた。「1980年代の香港映画のように消えてしまうのでは」との懸念も示し、世代交代やコンテンツの変化に対応する成長基盤の必要性を訴えた。
公演需要の拡大を受け、韓国ではソウルアリーナの1万8000席、高陽Kカルチャーバレーの2万席など、大型会場の整備が進む。政府は長期的に5万席規模のK-POP専用ドーム「Kカルチャーアリーナ」も計画し、ソウル、仁川、京畿道、忠清地域などで誘致競争が始まっている。
ただ、市場拡大が巨大施設の採算を保証するわけではない。ヤノルジャリサーチによると、韓国の1万席以上の公演のチケット販売額は、2022年の1802億ウォンから2025年の5320億ウォンへ約3倍に増えた。ポピュラー音楽が99.5%を占め、市場の成長を牽引している。
同社の試算では、ソウルに5万席の会場を民間事業として建設すると、土地取得と建設に約1兆9890億ウォンが必要になる。年間36公演がすべて満員になる楽観的な条件でも、年間営業利益は約130億ウォンにとどまる。
持続的な運営には、飲食やグッズ販売、宿泊、交通を結び付けた総合的な観光拠点としての機能が求められる。
ヤノルジャリサーチのチャン・スチョン院長は「大型会場は建物一つを造る事業ではなく、公演と交通、観光、商業を同時に動かすプラットフォーム事業」と指摘。確保できる公演需要や、継続運営の責任主体を先に検討すべきだと強調した。
慶熙大学のチェ・ギュワン教授も、開業前から公演企画会社との長期提携で日程を確保し、空港からの移動、宿泊、深夜交通を組み合わせた外国人向けサービスを設計する必要があると述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News