(c)news1
(c)news1

【10月16日 KOREA WAVE】韓国で、6歳の女児に対する児童虐待の罪に問われた幼稚園教諭が、控訴審で逆転無罪となった。女児は「先生にたたかれた」と訴えていたが、裁判所は、教諭が不適切な行動を止めるために手を伸ばし、その際に頬に触れた可能性があるとして、虐待が十分に立証されていないと判断した。

事件は2023年6月、教諭が勤務する幼稚園で起きた。女児は朝から教室の入り口をふさぎ、ほかの園児が通れないようにしていた。教諭は女児を屋内遊び場の床に座らせ、向かい合って、そうした行動をしてはいけないと伝えた。

女児が言うことを聞かず両腕を振り回したため、教諭は制止しようと両手首をつかんだ。女児がさらに強く振りほどこうとした際、その手が教諭の耳付近に当たり、イヤリングが外れた。この過程で教諭が横に倒れる場面もあった。帰宅した女児の腕にはあざがあり、頬にも、いつできたか分からないあざがあった。

女児は翌7月、被害者支援施設での聞き取りで「先生が頬をたたいたのに、していないとうそをついた」「私は知らずにたたいたけれど、先生が急にたたいて、とても痛かった。あざもできた」と話した。証言を分析した警察も、信用性があると判断した。

教諭も「女児が頬を押さえているのを見て、その時、自分の手が頬に当たったのだろうと気づいた」と説明した。

教諭は激しい行動を制止しただけで虐待ではないと主張したが、起訴された。

一審は、身体的な力を使った指導が必要な状況とは認めがたく、注意やしつけとして幼児に身体的な苦痛を与えることは許されないとして、罰金500万ウォン(約55万円)を言い渡した。ただし、有罪と認定したのは腕をつかんだ行為だけで、頬にあざをつけたことは認めなかった。

大田地裁の控訴審裁判部は2026年8月、一審判決を破棄し、全ての起訴内容について無罪を言い渡した。

裁判部は、傷の程度から、制止する際に両手首をやや強くつかんだ可能性はあるとした。一方、体罰や身体的苦痛を与える意図があったと認められる客観的資料はないと判断した。むしろ、不適切な行動を止め、その行動が間違っていると教えるための指導だったとみる余地が十分にあるとした。

また、教諭が横に倒れた状態で女児が押したりたたいたりし続けたのであれば、制止するため手を伸ばさざるを得なかったと指摘した。その際、手が女児の頬に触れた可能性は否定できないという。女児が虚偽の証言をしたわけではなくても、故意にたたかれたのではない接触を、女児が「たたかれた」と受け止めた可能性があるとの判断だ。頬のあざが別の原因でできた可能性もあるとした。

裁判部は、事件の前後に教諭が女児を適切に指導していなかったと認める客観的資料も見当たらないとして、犯罪事実の証明がないと結論づけた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News