【三里河中国経済観察】中国、プラットフォーム経済の健全な成長へ監督を強化
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【10月16日 CNS】北京市市場監督管理局はこのほど、オンライン旅行プラットフォームの「飛猪(フリギー、Fliggy)」「同程旅行(LY.COM)」「途家民宿(Tujia)」「美団(Meituan)」の4社について、関連法令に違反した疑いがあるとして調査を開始した。発表を受け、4社はいずれも当局の調査に積極的に協力し、監督上の要求を全面的に履行すると表明した。
今回の調査は、公正な競争を損ない、事業者や消費者の権益を侵害する行為を対象とするものだ。狙いはプラットフォームを過度に規制することではなく、プラットフォーム経済の健全で持続可能な発展につなげることにある。
調査は「中華人民共和国反不正当競争法」と「中華人民共和国電子商取引法」に基づき、プラットフォームがデータやアルゴリズム、技術、プラットフォーム上のルールなどを利用して不正競争行為を行っていないかを重点的に調べる。
オンライン旅行業界にとって、今回の調査はコンプライアンスを改めて見直す機会であると同時に、ビジネスモデルを転換する契機にもなり得る。今回の規制の方向性については、今年初めに行われた携程集団(Trip.com Group)への独占禁止法に基づく対応や、配車サービス、フードデリバリープラットフォームに対する規制と共通する流れにあるとの見方もある。
そこから読み取れるのは、プラットフォーム経済に対する監督が常態化し、業種や企業規模を問わずルールの順守が求められているということだ。データやアルゴリズムなどの技術を、不正競争行為を正当化する手段にすることは認められない。
オンライン旅行業界にとっては、先に問題となった携程集団の事例も一つの教訓となる。関係当局の発表によると、同社は一部のホテルに対して他のプラットフォームと取引しない「二者択一」の独占的な協力を求めたほか、「インターネット上での最安値」を要求し、ホテル側の価格設定を制限していたとされる。
こうした行為は短期的にはプラットフォーム側の利益につながっても、長期的には事業者の自主性や消費者の選択肢を狭め、業界全体のイノベーションを阻害する可能性がある。
規制の目的は特定の企業を市場から排除することではなく、コンプライアンスを最低限の条件、公正な競争を発展の前提として定着させることにある。ルールと守るべき一線を明確にすることで、プラットフォーム企業と業界全体の持続的な成長につなげる狙いだ。
中国国家市場監督管理総局の競争政策調整部門の担当者は以前、2026年の独占禁止政策について、「予防的な監督」「法執行の強化」「プラットフォーム事業者の主体的責任の徹底」という三つの方向性を示している。
企業や行為の状況に応じた段階的な監督によって、事業活動の余地を確保しながら、越えてはならない一線を明確にする。これは企業を萎縮させるのではなく、業界の健全な成長を促すためのものだ。
過去10年間、オンライン旅行プラットフォームでは「利用者をどれだけ集められるか」が競争力を左右してきた。多くの利用者を抱えるプラットフォームほど強い価格交渉力を持ち、出店する事業者側が高い手数料や販促キャンペーン、低価格販売などを受け入れざるを得ないケースも生じた。
しかし、相次ぐ規制強化によって、こうした競争のあり方も変わりつつある。国家市場監督管理総局は、過度な価格競争を激化させ、プラットフォーム内の事業者の成長余地を圧迫したり、消費者の利益を損なったりする独占的行為を重点的に監督する方針を示している。プラットフォーム運営企業、出店事業者、労働者がともに利益を得られる環境を整え、品質に見合った価格と健全な競争を促すとしている。
今後、プラットフォーム企業には、事業者への過度な負担によって利益を拡大するのではなく、サービスやイノベーション、品質そのもので競争することが一層求められる。
短期的には企業にとって負担となる可能性があるが、長期的には健全な競争環境の形成につながる。質の高いサービスが正当に評価される市場をつくることで、オンライン旅行業界も「規模の拡大」から「質の高い成長」へ転換していくことが期待されている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News