【10月13日 AFP】国際通貨基金(IMF)は13日、世界の金融システムが直面するリスクが「高まっている」と警告した。人工知能(AI)ブームの反動による株価下落や、深刻な影響を及ぼしかねないサイバー攻撃などを潜在的な脅威として挙げた。

IMFは、世界銀行との年次総会が開催されているタイの首都バンコクで、会期2日目に最新の「国際金融安定性報告書」を公表し、警鐘を鳴らした。

報告書は、こうしたリスクについて「近い将来、金融環境の急激な引き締めや市場の混乱を引き起こす現実的な要因となり得る」と指摘した。

近年のAIブームと、それに伴う半導体の製造やデータセンターの建設に向けた投資の急増は、中東での紛争をはじめとする地政学的な圧力にもかかわらず、世界経済の成長を後押ししてきた。

しかし、IMFは「従来の想定より少ない投資でAIの能力を実現できる可能性や、AIがもたらす経済効果が期待ほど大きくない可能性を示す証拠が増えている」と注意を促し、さらに「AI関連投資や収益性が予想を下回ったり、持続性に欠けたりすれば、市場の調整を引き起こす衝撃となり得る」と指摘した。

また、AIは世界経済の活力の源泉となりつつある一方で、前例のないリスクももたらしているとし、「深刻なサイバー攻撃などが発生すれば、市場の信頼が損なわれ、金融市場の重要なインフラや業務に混乱が生じる恐れがある」とも警告した。

今回の報告書は、AIが労働市場や教育、格差などに及ぼす幅広い影響について、懸念が高まる中で公表された。

IMFは、AIの性能向上に伴い、「重要な金融機関や市場インフラ」を狙ったサイバー攻撃が成功する危険性が高まっているとし、また「急速なデジタル化によって攻撃対象となり得る領域が拡大しているため、その影響は深刻なものになり得る」と指摘した。(c)AFP