「AIの人類滅亡論はSF映画の筋書き」世界的権威ヤン・ルカン教授、開発減速論を一蹴…韓国で終末論に反論
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【10月13日 KOREA WAVE】人工知能(AI)研究の第一人者である米ニューヨーク大学のヤン・ルカン教授が、AIによる人類滅亡論を「SF映画のシナリオ」と退けた。AIを悪用したサイバー攻撃についても「攻撃側より防御側が有利」との見方を示し、製造業に強い韓国にはフィジカルAI分野で重要な役割を担う機会があると強調した。
ルカン氏は10月12日、ソウルで開かれた「産業AIグローバル協力」の記者懇談会で、AI開発の速度を抑えるべきだとの議論にも反論した。
「人間並みの知能を持つAIロボットが突然世界を支配するのは、SF映画のシナリオにすぎない」と述べ、現実の技術革新は各地で同時に起き、再現も可能だと説明。人間並みのAIから超知能AIへの移行を分ける単一の出来事があるのではなく、多数の技術革新を伴う段階的な発展になると主張した。
韓国の金融機関を狙ったAIによる自動化攻撃については、「最近のサイバーセキュリティー事件は基本的に不注意から生じたもので、AIを制御できないために起きた問題ではない」と分析した。
防御側には多くの人員や高度な教育を受けた人材がおり、秘密裏に活動する必要もなく、資金支援も受けやすいと指摘。開かれたコミュニティーでAIを活用できることも、防御側の強みだとした。
AIの安全性確保については、航空機エンジンの開発になぞらえ、初期には危険があっても改良とともに安全性が高まると説明。「AIを安全にすることは、ターボジェットエンジンを安全にするより、工学的には簡単な問題かもしれない」と述べた。
次の革新として挙げたのは、物理的な世界を理解するAIだ。現在の大規模言語モデル(LLM)は数学問題やプログラミングに対応できる一方、ロボットは10歳の子どもが特別な訓練なしにできる食卓の片付けさえ難しい。膨大な運転データを学習しても完全自動運転が実現していないことも指摘した。
解決策として提示したのが「世界モデル」だ。自分の行動がもたらす結果を予測し、目標達成に必要な行動の順序を計画する技術で、従来の生成AIとは異なる「共同埋め込み予測アーキテクチャー(JEPA)」を基に開発しているという。
韓国については、製造基盤と科学・技術・工学分野の人材を評価。海外の優秀な人材を引きつけるため、大学や研究環境の改善が必要だと述べた。
エイトマティックのクリストファー・グエンCEOは、韓国が米国の大規模データセンター投資をそのまま追う必要はないと指摘。安全性やガバナンスに投資しながら、製造現場にAIを早期かつ繰り返し導入することで、技術と産業的価値を蓄積すべきだとした。
AIアライアンスのアンソニー・アヌンツィアータ共同創設者は、参加機関がデータの管理権を維持しつつ、共通の基盤モデルを開発する「プロジェクト・タペストリー」を紹介。各機関が専門性を生かしたAIを構築できると説明した。
ASIファウンドリーのジミー・リー会長も、韓国の製造現場に蓄積された高品質なデータを世界のAI技術と結び付ける重要性を強調。同社のファン・ミョンウン代表は、企業の現場課題を先に明確にし、導入後も成果を検証しながら適用範囲を広げる必要があると述べた。
ルカン氏は、AIが主要インフラになるほど基盤モデルはオープンソースや学習済みの重みを公開する方式を中心に発展すると予測。「韓国にはフィジカルAIとロボットの新たな革命で重要な役割を担う機会がある」と語った。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News