妻の母親を殺害し、訴訟中の妻を拉致して逃走した疑いで逮捕され、ソウル松坡警察署に移送される26歳の男=2026年10月11日(c)news1
妻の母親を殺害し、訴訟中の妻を拉致して逃走した疑いで逮捕され、ソウル松坡警察署に移送される26歳の男=2026年10月11日(c)news1

【10月13日 KOREA WAVE】家庭内暴力(DV)の疑いで捜査を受けていた26歳の男が、妻の母親を殺害し、妻を拉致した事件で、韓国警察の対応が批判を浴びている。接近禁止措置の期限切れから再申請まで6日間の空白があり、捜索令状も3度執行できないまま、事件が起きた。

ソウル松坡警察は10月12日、尊属殺人や特殊監禁などの疑いで男の逮捕状を請求した。

男は11日午前5時38分ごろ、ソウル市松坡区文井洞にある妻の母親宅の前で、妻(23)を拉致し、制止しようとした50代の母親を刃物で刺して殺害した疑いがある。

妻を車に乗せて江原道襄陽郡の山中へ逃走したが、同日午後0時35分ごろ緊急逮捕された。妻は軽い擦り傷を負ったものの、安全が確認された。逮捕現場の周辺で刃物が見つかり、車内からは別に長さ約20センチの千枚通しも発見された。

問題となっているのは、接近禁止措置が途切れていたことだ。

男は妻との婚姻無効訴訟中で、8月に妻へのDV容疑で立件された。妻の100メートル以内への接近や、電話・メッセージなどによる連絡を禁じる暫定措置を受けていたが、9月30日に期限が切れた。

事件を引き継いだ京畿道の水原勧善警察署が裁判所に追加措置を申請したのは10月6日だった。再申請から裁判所の決定までの間も、接近禁止措置が維持されていない状態で犯行に及んだという。

捜査の進め方にも疑問が出ている。同署は9月18日、男の携帯電話などを対象とする捜索・差し押さえ令状を取得。22日と28日に社会服務要員としての勤務先を訪れ、10月6日には自宅で執行を試みたが、いずれも男が不在で実現しなかった。

男は事件の約3週間前から勤務先を無断欠勤していたことが分かっている。10月10日に予定されていた事情聴取にも応じなかったが、警察は出頭日を13日に設定し直すにとどまった。

警察は、逮捕状の請求には出頭要請に3回以上応じないなどの要件を考慮する必要があり、当時は緊急逮捕の理由も十分ではなかったと説明している。

ただ、長期間の無断欠勤に加え、令状を執行できず、出頭要請にも応じない状況で、警察が再発の危険性を十分に評価し、身柄確保や被害者保護を検討していたのかが問われている。

男は事情聴取で犯行をおおむね認める一方、偶発的だったと主張した。婚姻無効訴訟の過程で妻に悪感情を抱いていたとも供述したが、殺害後に江原道へ逃走したことに明確な目的はなかったと述べたという。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News