【10月12日 AFP】欧州連合(EU)の気象情報機関は12日、勢力を強めているエルニーニョ現象の影響で、9月に太平洋の主要な監視海域の海面水温が過去最高を記録したと発表した。エルニーニョ現象が異例の強さに達しつつあることを示す新たな兆候となった。

世界各国の気象予報機関は数か月前から、今回のエルニーニョ現象が観測史上最強となる可能性が高いと警告してきた。今年後半にピークを迎えると予想される中、すでに新たな記録が樹立された形だ。

エルニーニョ現象は、自然の気候変動周期における海水温の上昇局面で、熱帯太平洋の海面水温を上昇させる。これに伴う気象パターンの変化は、干ばつや洪水のリスクを高めるほか、人為的な地球温暖化による気温上昇を一時的に増幅させる可能性がある。

EUのコペルニクス気候変動サービスによると、エルニーニョ現象の監視に用いられる太平洋の海域「ニーニョ3.4」で、9月の海面水温が過去最高の29.70度に達した。

これは、過去に強いエルニーニョ現象が発生した1982~83年、1997~98年、2015~16年の最高水温を上回るもので、同機関は「今回のエルニーニョ現象が異例の強さであることを裏付けている」と指摘した。

ただし、コペルニクス気候変動サービスはAFPに寄せた声明で、「今回のエルニーニョ現象が観測史上最強だとは、まだ断定できない」としている。

気候変動によって海水温が上昇しているため、近年のエルニーニョ現象は過去のものより強く見える可能性があり、過去との比較が難しくなっている。

同機関によると、熱帯の海洋全体の温暖化を考慮した新たな指標では、今回のエルニーニョ現象は過去の強い現象をまだ上回っていないことが示唆された。

その一方、同機関はAFPに対し、9月の観測値について「今回のエルニーニョ現象がまだピークに達していないことを考慮すると、すでに異例の強さに達していることを示している」と説明した。

エルニーニョ現象の強さを評価する際、すべての気象予報機関が同じ指標を使用しているわけではない。日本の気象庁は9日、エルニーニョ現象が「観測史上最強」の勢力に達したと発表。監視海域の海面水温は基準値を4.0度上回ったという。(c)AFP