【10月12日 AFP】米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は11日、規制が不十分な人工知能(AI)がもたらす脅威は増大していると警告し、今後1年でAIを悪用したサイバー攻撃が増加するとの見通しを示した。

ゲイツ氏は、AIが「制御不能になる」リスクが現実化するのは数年先だとする一方、差し迫った懸念は、悪意のある人物が安全対策の施されていないAIシステムを利用することだと強調した。

ゲイツ氏は米メディアのインタビューで、「今後1年で最も顕著に表れるとみられる脅威は、サイバー攻撃だ」と述べた。

「現時点での真の危険は、AIが制御不能になることではない。それに対処する必要はあるが、大きな影響が出るのは数年先の話だ」と語った。

「本当の問題は、悪意のある人物が安全対策を取り除いた既存のAIシステムを悪用することだ。特に、AIに組み込まれた安全対策をすべて取り除けることが問題だ」と指摘。AIがバイオテロやサイバー攻撃に悪用されるのを防ぐため、規制を強化する必要があると訴えた。

さらに、「しかし現状では、こうした安全対策をすべて取り除くことが認められている。悪意のある人物が、安全対策のない最新のAIモデルを利用できる状況では、今後1年で主にサイバー分野において予想外の悪い事態が数多く起きるだろう」と警告した。

ゲイツ氏は8月に公開した長文の投稿で、AIがもたらす激変、とりわけ雇用への影響に対して世界は危険なほど準備不足だと警告していた。新技術がもたらす脅威に警鐘を鳴らすテクノロジー業界の大物が、また一人増えた形だ。

また、ゲイツ氏は11日のインタビューで、ドナルド・トランプ米大統領が支持する、AI企業による自主規制だけで世界の安全を確保できるという考えを否定した。

「人類がこれまでに発明した最も危険な技術について、企業自身による規制が最終的な答えであり、企業だけが社会にとって唯一の歯止めになるという考え方は…われわれの取り組みが不十分なのは明らかだ」と述べた。(c)AFP