「緑の大転換国際週間」の開会式であいさつするキム・ソンファン(金星煥)気候エネルギー環境相=4月20日、全羅南道麗水市、同省提供(c)news1
「緑の大転換国際週間」の開会式であいさつするキム・ソンファン(金星煥)気候エネルギー環境相=4月20日、全羅南道麗水市、同省提供(c)news1

【10月10日 KOREA WAVE】韓国政府は7日、今後10年間で財政支出と気候金融を合わせて1000兆ウォン(約118兆円)規模を投入する「韓国型グリーントランスフォーメーション(K-GX)戦略」を発表した。脱炭素を規制への対応にとどめず、新たな成長力に変える構想だ。

対象期間は2026~2035年。経済副首相をトップに、関係省庁や経済団体、主要産業団体が参加する官民合同推進団の議論を踏まえて策定した。産業競争力の強化と高付加価値市場の開拓、地域の力を生かして取り残される人を生まない移行、政府支援による民間投資環境の整備を3本柱とする。

温室効果ガスの排出量が多い鉄鋼、石油化学・石油精製、セメント、半導体・ディスプレーなどの製造工程を脱炭素化する。鉄鋼では2030年までに30万トン規模の水素還元製鉄の実証を進め、2037年から商用化する。水素生産拠点の整備を支援し、企業の投資を前提に安価な電力を安定供給する方策も用意する。

石油化学・石油精製では電化したナフサ分解設備の技術開発と環境負荷の低い燃料の利用を拡大。セメントでは複数の材料を混合する技術、半導体・ディスプレーでは温暖化への影響が小さい工程用ガスへの代替技術を開発する。

エネルギー分野は2030年までに再生可能エネルギーの設備容量100ギガワットを目指す。太陽光・風力の適地を探し、洋上風力向け港湾施設に9隻分の係留設備を追加。15メガワット級以上の風車に対応する専用設置船も確保する。送電線を大容量のものに交換し、再生エネ発電拠点から需要地へ直接電力を届ける直流送配電産業も育てる。

2035年までに新車の70%以上を電気自動車(EV)と水素自動車にする。地域の再生エネ生産を考慮してEV補助金を見直し、鉄道、バス、二輪車、建設機械、船舶の電動化も進める。

重点育成する10分野は、EV、電池、太陽光、風力、小型モジュール炉(SMR)、電力機器、パワー半導体、ヒートポンプ、水素、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)だ。

2028年に次世代太陽電池の世界初の商用化・量産を目指し、全固体電池なども支援する。太陽光・風力・蓄電池の主要部品や設備に国内生産税額控除を導入し、SMRの国家戦略技術指定を推進する。有望な気候技術企業には最大100億ウォン(約12億円)の包括支援を提供する。

地域では羅州をエネルギー特化都市に育て、済州では2035年までに域内の新車をすべてEVにする。エネルギー消費の多い公共建築物の省エネ改修を義務化し、化石燃料による暖房支援をヒートポンプ普及支援に切り替える。

労働者の円滑な移行を支える「公正な移行特区」を2026年中に指定し、石炭火力発電所の従業員向けロードマップと関連法も整備する。

財源は財政200兆ウォン(約24兆円)と、政策金融機関5機関による790兆ウォン(約93兆円)以上の気候金融。気候対応基金を2026年の2兆6000億ウォン(約3071億円)から2027年に7兆6000億ウォン(約8976億円)へ増額し、同年上半期までにグリーン国債の発行案をまとめる。気候金融の50%以上を地方、70%以上を中小・中堅企業に配分する。

民間主導の約220兆ウォン(約26兆円)規模の事業も発表された。ハンファキューセルはタンデム型太陽電池の国産化、ポスコホールディングスは鉄鋼の脱炭素産業基盤づくり、LG電子とサムスン電子は住空間の環境対応を推進する。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News