【10月10日 AFP】米軍による銃殺刑の生配信計画について、9日、米議員から「イスラム過激派がやることだ」などと非難の声が相次いだ。J・D・バンス副大統領は同日、実現するかどうかに疑問を呈し、実現したとしても「私は見ない」と明言した。

2009年に南部テキサス州のフォートフッド陸軍基地で銃を乱射して13人を殺害し、殺人罪などで死刑判決を受けた元軍医ニダル・ハサン死刑囚の銃殺刑は、12月3日に同基地で予定されている。米軍による銃殺刑の執行は、1945年に敵前逃亡の罪で銃殺刑に処されたエディ・スロビク死刑囚以来となる。

バンス氏は、生配信計画について記者団に問われ、「本当に実現するかは分からない」と答えた。

さらに「私の考えでは、この男は米国内で2001年9月11日の同時多発攻撃に次いで2番目にひどいテロ攻撃を起こした」と述べる一方、銃殺刑が生配信されたとしても「私は見ない」と付け加えた。

共和党のオースティン・スコット下院議員は、ハサン死刑囚の死刑執行を支持する一方、「処刑の生配信はイスラム過激派がやることだ。米国はそこまで落ちぶれていない」と述べた。

上院軍事委員会に所属する民主党のマーク・ケリー上院議員は、ハサン死刑囚は「刑に処されるべきだ」とする一方、公開処刑については「イランや(アフガニスタンで復権したイスラム主義組織)タリバンがやるようなことだ。これらと同列視されたいのか?」と疑問を呈した。

ハサン死刑囚の処刑を巡っては、ピート・ヘグセス国防長官が「国民が見られるように必ず公開で執行する」と述べた後、国防総省当局者が8日、生配信すると明らかにした。

だが、トランプ氏は9日、死刑執行は支持するものの、生配信するかどうかはまだ決定していないと述べ、ヘグセス氏らの説明と食い違う発言をした。

トランプ氏は「その件については彼ら(国防総省)が判断しているところだ。だが、彼(ハサン死刑囚)は処刑されることになる」「処刑されるならば、どんな方法でも構わない」と述べた。

IT大手のユーチューブ、メタ、X(旧ツイッター)は、自社のプラットフォームで死刑執行の生配信を認めるかどうかについて、AFPのコメント要請にすぐには応じなかった。

TikTok(ティックトック)はAFPの取材に対し、「人が銃撃される場面」を含む「生々しい事件や暴力」の描写を禁止する方針を取っていると回答した。

国連人権高等弁務官事務所はこの動きを非難し、9日にAFPに送ったメッセージで、「死刑執行の生配信は公開処刑と同じことで、拷問の絶対的禁止に違反する」と述べた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、2025年に少なくとも17件の公開処刑が行われたことを確認している。内訳はアフガニスタンで6件、イランで11件だった。(c)AFP