【10月9日 AFP】南アフリカで8日、政府に難民認定申請の審査再開を命じる裁判所の判決をきっかけに移民を巡る緊張が再燃し、反不法移民デモの参加者と外国人グループが衝突した。

衝突は最大都市ヨハネスブルクのソウェト地区と東部の港湾都市ダーバンで発生し、複数の車両が放火されたほか、外国人が経営する小規模商店が略奪された。

今回の衝突は、不法移民排斥を掲げる団体が呼び掛けた新たな抗議デモの後に発生した。これらの団体は今年、数万人の外国人が南アを出国する事態につながったデモを主導していた。

警察によると、ダーバンでは外国人が南ア人のデモ参加者に暴行を加えたとの疑惑をきっかけに衝突が発生し、少なくとも14台の車両が焼かれた。

警察は外国人3人を逮捕した。

AFP記者によると、デモ隊は外国人が経営する店舗に放火し、他の店舗でも略奪を行ったとされ、警察はゴム弾を発射してデモ隊を解散させた。

当局者によると、市の建物も放火された。

ソウェト地区では少なくとも10台の車両が放火されたが、負傷者の報告はない。

略奪者らは小規模な食料雑貨店を襲った。こうした店舗は外国人が経営していることが多く、南アで外国人排斥を背景とする騒乱が起きるたびに、特に標的とされている。

■裁判所の判決

プレン・ディンパネ国家警察長官代行は記者団に対し、「混乱を引き起こした者たち」を追跡していると述べた。

さらに「懸念を表明し、抗議する権利があるからといって、犯罪を犯す権利が与えられるわけではない」と強調した。

外国人排斥を巡る緊張の再燃につながった裁判所の判決は、難民関連法の一部規定を違憲と判断するものだった。

裁判所によると、これらの規定は、不法入国した場合などの手続き上の理由で、一部の人々が難民認定を申請することを妨げていた。

判決を受け、ここ数日で数百人が政府の難民受け入れ施設に押し寄せた。だが、この中には母国での迫害など、難民認定の要件を満たさない者も含まれていたという。

政府は7日、今回の判決は「南アに入国すれば誰にでも難民認定や永住許可を自動的に付与するというものではない」と強調し、誤情報に惑わされないよう警告した。

さらに、国境管理の厳格化、密入国やそのあっせんの取り締まり、不法滞在者の退去強制手続きの迅速化など、6月に発表した措置を実施すると改めて表明した。

アフリカ大陸で最も豊かな南アには、仕事を求めて大陸各地から多くの移民が流入してきた。

だが、約20年前から外国人排斥を背景とする衝突が断続的に発生している。外国人が南ア人から貴重な雇用や資源を奪っているという、真偽の定かではない主張が引き金になることもある。(c)AFP