【10月9日 AFP】英国の左派政党「緑の党」のザック・ポランスキー党首(43)は9日、イスラエルを巡る論争の余波が続く中で行われた下院補選で、中道左派の与党・労働党候補に敗れ落選したが、党首を続投する意向を示した。

ユダヤ人で、緑の党の親パレスチナ路線を強く推進してきたポランスキー氏は今月、緑の党がシオニズム(ユダヤ人が祖先の地であるパレスチナに国家を建設・維持することを目指す思想および政治運動)を「人種差別(レイシズム)」と定義する決議案を可決したことを受け、イスラエルへの入国を禁止された。

決議では、シオニズムは「他のあらゆる形態の人種差別と同等に扱われる」とし、党として「歴史的パレスチナの全土における単一の民主的なパレスチナ国家」の樹立を支持するとしている。

今回の補選は、キア・スターマー前首相の議員辞職に伴い、ロンドンのホルボーン・アンド・セントパンクラス選挙区で実施されたもので、アンディ・バーナム首相の人気を測る試金石となった。

得票率は労働党候補のサガル・アブディワリ氏が45%、ポランスキー氏が33%だった。2024年の前回総選挙では労働党候補が49%、緑の党候補が11%で、両党の得票率の差は大きく縮まった。

ポランスキー氏は英スカイニューズに対し、党首を続投すると表明した。

アブディワリ氏はソマリア出身。子どもだった1990年代にソマリア内戦を逃れ、難民として英国に渡った。現在は地方議会を率いている。

労働党は、1983年に同選挙区が設置されて以来、一貫して議席を維持してきた。今回の補選は、昨年9月にポランスキー氏が党首に就任して以来、党員数が急増している緑の党との事実上の一騎打ちとなった。

元俳優で催眠療法士でもあるポランスキー氏は、緑の党の左派色と親パレスチナ色を強め、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に対するスターマー前政権の姿勢への不満を追い風に支持を広げた。

緑の党の広報担当者は選挙結果について「落胆している」と述べる一方、労働党の最も強固な地盤の一つで「大幅に支持を伸ばせたこと」を歓迎した。

また、気候変動、家賃の高騰、「パレスチナ人のための正義」などの問題について、有権者が「真の変革を望んでいる」という「メッセージを示した」と述べた。(c)AFP