韓国軍、極超音速滑空体の初試射に成功…北朝鮮への抑止力を誇示
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【10月09日 KOREA WAVE】韓国軍が10月8日、極超音速滑空体(HGV)の初の試験発射に成功した。北朝鮮が最近、極超音速ミサイルを相次いで公開したことに対抗する狙いがあるとみられる。非武装地帯(DMZ)に北朝鮮軍が埋設したとされる地雷の爆発で韓国軍兵士が負傷した事故を受け、先端兵器の実演で抑止力を示す「相応の措置」との見方も出ている。
韓国の国防科学研究所(ADD)は、イ・ジェミョン(李在明)大統領の立ち会いの下、独自技術で研究開発中の極超音速滑空体を初めて試射した。滑空体は目標高度で推進体から分離し、計画通りに極超音速で飛行。低高度に降下して上下左右に不規則に軌道を変え、指定された目標地点に正確に着弾した。
極超音速兵器は一般に、音速の5倍に当たるマッハ5以上で飛行する兵器を指す。滑空体は高速で飛行するだけでなく、途中で軌道を変えられるため、既存のミサイル防衛システムでは探知・追跡や迎撃が難しい。
今回の試験では、飛行中の超高温に耐える素材の性能や誘導・制御能力、低高度での不規則な滑空飛行能力などを検証した。推進体からの分離、変則機動、目標地点への着弾までを実際の飛行環境で実証し、北朝鮮の核・ミサイル施設や指揮施設などを迅速に攻撃できる新たな抑止手段の開発可能性を示した。
韓国軍は2000年から産学共同で極超音速兵器の研究を進め、2004年からはADDが主導してきたとされる。2016年には開発に必要な30の中核技術課題を選定した。2021年に国会へ提出された資料によると、飛行体用素材の開発など6課題は2020年末までに完了し、設計技術や推進機関などの研究も段階的に進められた。
ただ、大統領室は今回の具体的な飛行速度や射程、高度を公表していない。牙山政策研究院のヤン・ウク研究委員は、韓国も以前から開発を進めてきたとしたうえで、技術的な成功を評価するには、実際の飛行距離や高度、変則機動の程度を確認する必要があると指摘した。
試射の時期にも注目が集まる。李大統領は9月29日の国務会議(閣議)で、原子力潜水艦の建造と極超音速ミサイルなどの先端技術開発を加速するよう求めていた。北朝鮮が同月20日に新型極超音速短距離ミサイル「火星11マ」改良型を試射した後の発言だった。
北朝鮮は10月3日にも、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の立ち会いの下、極超音速中距離戦略ミサイルを発射した。韓国軍は国民の士気向上や北朝鮮の誤算を防ぐことも念頭に、抑止力を示したとみられる。
また、9月21日に西部戦線のDMZで発生した地雷爆発事故について、韓国軍は「北朝鮮の挑発」に相応の措置を取ると予告していた。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務総長は、今回の試射には警告の意味があると分析。北朝鮮の主要施設を迅速に直接攻撃できる能力を示す狙いだと説明した。
ただし、初試射の成功は兵器開発の完了や実戦配備を意味しない。国産の極超音速滑空体は現在、中核技術の開発段階にあるとされ、兵器として完成させるには追加の研究開発と性能検証が必要となる。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News