【10月9日 AFP】米南部テネシー州で死刑執行を生き延びたクリスタ・パイク受刑者(50)が、病室を歩き回っているものの、精神的には「ぼんやり」としていると、弁護士が8日に放送されたインタビュー内で明かした。

パイク死刑囚は9月30日夜、麻酔薬ペントバルビタールを2回投与されたにもかかわらず死亡には至らず、脳死状態とみなされていた。

弁護士によると、医師らは6日に生命維持装置を外す予定だったが、同受刑者が予期せず目を覚まし話し始めたという。

弁護士のスティーブン・フェレル氏はBBCに対し「彼女はきょう初めて立ち上がって歩いているが、部屋の中だけで、それほど遠くへは行けない」と語った。

「また、幾分頭がぼんやりしている。非常に簡単に思考が中断し、どこへ行こうとしていたかを忘れてしまう」

さらに「後遺症が残る可能性もある。まだ判明していない」と語った。

フェレル氏自身はパイク受刑者と直接面会したり会話したりしておらず、面会した同僚から報告を受けているという。

弁護団は、テネシー州のビル・リー知事に対し、パイク死刑囚の判決を仮釈放の可能性がない終身刑に減刑するよう改めて要請した。

死刑執行失敗を受け、リー知事は第三者機関による独立調査が完了するまで同州での死刑執行を一時停止しているほか、同州の矯正局長が辞任に追い込まれた。

テネシー州が、最終的にパイク受刑者の死刑を再び執行しようとするかどうかは分かっていない。

フェレル氏は「私たちはまさに未開拓の水域にいる」と述べた。

死刑情報センター(DPIC)によると、致死量の死刑執行薬を投与された後に生き延びた受刑者はパイク受刑者のみだという。

パイク死刑囚は18歳だった1995年、交際相手の男と共に、若者向けの職業訓練施設の同僚だったコリーン・スレマーさん(当時19、女性)を殴り殺した。

スレマーさんの遺体の胸部に悪魔の象徴・悪魔崇拝のシンボルとして知られる五芒星(ペンタグラム)が刻まれていたことから、事件は全米の注目を集めた。

DPICによると、米国で1976年に死刑制度が復活して以降、死刑を執行された女性死刑囚はわずか18人となっている。(c)AFP