愛知・名古屋アジア大会の重量挙げ男子85キロ級で、ジャークの3回目に214キロを持ち上げる北朝鮮のロ・グァンリョル(c)news1
愛知・名古屋アジア大会の重量挙げ男子85キロ級で、ジャークの3回目に214キロを持ち上げる北朝鮮のロ・グァンリョル(c)news1

【10月08日 KOREA WAVE】北朝鮮が2026年愛知・名古屋アジア大会で、重量挙げだけで金メダル7個を獲得し、強豪ぶりを示した。前回の杭州大会より選手団の規模はほぼ半減したが、総合12位となった。一方、大会期間を通じて韓国記者との接触を避け、日本側の対話の試みにも応じなかった。民間交流の機会とされてきた国際スポーツの場でも、閉鎖的な対外姿勢を維持したとの分析が出ている。

大会組織委員会によると、北朝鮮は金7個、銀13個、銅9個の計29個のメダルを獲得した。金メダル7個はすべて重量挙げで獲得。女子49キロ級のリ・ソングムは大会3連覇を達成し、女子69キロ級のソン・グクヒャンはスナッチ、ジャーク、合計の世界記録を更新して優勝した。

前回は金1個だった男子でも、85キロ級のロ・グァンリョルら3人が金メダルを獲得した。重量挙げ代表10人全員がメダルを手にし、計15の世界新記録を樹立した。ほかの競技では金に届かなかったが、レスリングは9人中5人が決勝に進み、いずれも銀を獲得した。ボクシング女子54キロ級のパン・チョルミは決勝で判定負け。女子サッカーも決勝でPK戦の末に敗れ、準優勝だった。

選手団の規模は縮小したものの、総合順位は前回の10位から2つ下がるにとどまった。伝統的な得意競技を中心に、施設整備と選手育成を進め、国際的な競争力を確保しているとの評価がある。

ただ、韓国との「敵対的な2国家」路線を再確認する大会にもなった。キム・イルグク体育相やパク・チョンジョン選手団長は、日本入国時から記者の質問に答えず、選手団も韓国記者との接触を避け続けた。

アジア・オリンピック評議会(OCA)の規定や国際大会の慣例では、入賞者や監督の公式記者会見への出席は義務だが、一部の北朝鮮選手は韓国記者がいることを理由に会見を突然取りやめた。「北朝鮮」という呼称に、選手が公然と不快感を示す場面もあった。

国際大会は、南北の選手団や高官が同じ場所に集まる数少ない機会で、関係改善につながる交流の場とされてきた。2000年代には釜山や青森のアジア大会、大邱ユニバーシアード、アテネ・トリノ五輪、ドーハ・アジア大会などで、南北が開会式に合同入場した。

関係が冷え込んでいた2014年の仁川アジア大会では、ファン・ビョンソ(黄炳瑞)軍総政治局長、チェ・リョンヘ(崔竜海)党書記、キム・ヤンゴン(金養建)対南担当書記らが訪韓し、高官交流の機会となった。2018年の平昌冬季五輪も、2018~2019年の南北融和の契機となった。

今回は、スポーツを通じた関係改善の難しさが浮き彫りになった。5月には北朝鮮のサッカー女子選手団「ネゴヒャン(わが故郷)」が大会出場のため訪韓したが、韓国政府が期待した意味のある接触はなかった。

愛知・名古屋大会でも、日本政府関係者が体育相に直接話しかけようとしたが実現せず、在日本朝鮮人総連合会が進めた日朝高官の非公式交流も不発に終わったという。北朝鮮は2023年に韓国との「敵対的な2国家」関係を表明して以降、交流を断っている。軍事境界線の北側を領土とし、国境の要塞化も進めている。

今回の大会は、北朝鮮がスポーツ行事を南北交流の機会よりも、国際競技への参加そのものとして位置付けていることを示した。2027年の忠清夏季世界大学競技大会などでも、交流再開の可能性は低いとみられる。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News