【10月12日 東方新報】48時間で何ができるだろうか。

湖北省(Hubei)の武漢生物工程学院4年生、林可(Lin Ke)さんにとって、48時間は仲間とともに一つのゲームを作り、故郷の文化を発信するのに十分な時間だった。ゲームを通じて、多くの人に「これまでとは違った武漢」を見てもらおうという試みだ。

9月4~6日、「翌光計画|武漢グローバル大学ゲーム制作チャレンジ」が武漢市(Wuhan)で開催された。林さんは劉文軒さん、姚蔚然(Yao Weiran)さんと3人でチーム「Corn up」を結成。48時間という限られた時間の中で協力し、ゼロからゲームのプロトタイプを完成させた。

「開発者のマラソン」とも呼ばれるこの挑戦で、3人が使ったのは数台のパソコンとAIツール、そしてゲーム制作への情熱だった。こうして誕生したのが、「Re-Visit Baotong Temple(宝通寺を再訪)」というゲームだ。

9月12日に行われた試遊展示会では、多くのゲームファンや大手ゲーム会社の関係者から高い評価を受け、11月に開催されるテンセントのゲーム制作コンテストの表彰式にも招待された。

大会のテーマは「成長」。制作会場では、キーボードをたたく音と企画について議論する声が絶えなかった。9月4日夜、林さんはパソコンの前に座り、素早くキーボードを操作していた。劉さんは画面を見ながらコードを調整し、アートを担当する姚さんはオンラインで構図や画像制作、色彩などについて何度も意見を交わした。

「初日の午後にテーマが発表されて、どうせなら自分たちならではの特徴を出したいと思いました」と林さん。武漢出身の林さんは、故郷の要素をゲームに取り入れることを決めた。

林さんが「武漢市洪山区が発展してきた歴史をゲームにしよう」と提案すると、メンバー全員が賛成した。22歳の林さんにとって、洪山区は特別な思い入れのある場所だ。「作りたかったのは単なるゲームではなく、故郷に宛てたラブレターです」と語る。

そして48時間にわたる制作の末、「Re-Visit Baotong Temple」が完成した。このゲームでは、プレイヤーは英雄や勇者ではなく、ネズミ、ウシ、鳥、ネコの4匹の小動物を操作する。さまざまな困難を乗り越えながら、リレー形式で洪山区の歴史をたどっていく。

古寺に響く朝夕の鐘の音、露にぬれた地元特産の野菜「紅菜苔」が並ぶ市場、山を越えて仏足を安置した人びとの歩み、そして科学技術・イノベーション産業地区の発展――。四つの時代を通じて、街が成長してきた姿が描かれている。「審査員が試遊した時、紅菜苔を見て『おいしそうだ』と笑ってくれたんです」と林さん。「その瞬間、これまでの苦労がすべて報われた気がしました」と振り返る。

では、わずか48時間でどのようにゲームを完成させたのか。その鍵となったのが「AIと情熱」だった。「以前なら非常に時間がかかっていた作業も、AIを使えば効率が何倍にも上がります」と林さん。チームにはAIを活用した漫画動画制作を研究しているメンバーがおり、今回はAIを積極的に取り入れた。物語の背景設定や背景画像の生成、さらにはウェブページのコード作成まで、AIが制作を幅広く支えた。

ただ、AIはあくまでツールであり、制作の中心にいるのは人間だ。細部を仕上げるため、メンバーは深夜まで作業を続けた。アート担当が夜遅くまで作業している間、林さんも会場に残って合流を待った。直接集まれない時には、オンラインで何度もやり取りした。「疲れましたが、みんなで一つの目標に向かって全力で走る感覚は、本当に熱くなれるものでした」その熱意は、会場の観客や試遊した人たちにも伝わった。

展示エリアでは多くの来場者が足を止めてゲームを体験した。画面に映る宝通寺の塔を見て、「ここ、子どもの頃に行った場所じゃないか」と声を上げる人もいれば、「ゲームでこんな表現もできるんだ。地域の文化が感じられる」と驚く人もいた。

それこそが林さんの目指していたものだった。「すぐに大手ゲーム会社の目に留まるかどうかは、それほど重要ではありません。それよりも、このゲームを通じて武漢の魅力を実際に感じてもらえたらと思っています」

今回の挑戦で、林さんたちが得たものは一つのゲームだけではなかった。受賞に加え、今後の活動につながる新たな機会も手にした。展示会では、複数の大手企業やゲーム会社の関係者がチームに関心を示した。洪山区の関係者も、ゲームには街の雰囲気や文化、イノベーションの精神が表現されているとして、「今後もこうした創意工夫に富んだ特色あるゲーム作品を支援していきたい」と述べた。

大会終了後、洪山区は起業支援策やインキュベーション施設への入居支援など、若者たちの活動を後押しする方針を示した。チームは11月に開催される「2026テンセントゲーム制作コンテスト」の表彰式にも招待される予定だ。今後、グローバルゲームジャム(Global Game Jam)のインディーゲームスタジオ支援プログラムを通じ、メンターによる指導やプロジェクト展開などの支援を受ける機会もあるという。

「以前は、インディーゲームを作るなんて夢のような話だと思っていました。でも今は、その夢が少しずつ現実になっているように感じます」と林さんは語る。

大学で生まれたアイデアから、48時間のゲーム制作への挑戦、そして将来の起業へ。林さんと仲間たちの取り組みは、武漢で新しいものづくりに挑む若者たちの姿を映し出している。(c)東方新報/AFPBB News