南北融和の象徴だった豊山犬の子、保護施設送りに…韓国国会で「国家の責任」追及の声
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2018年の南北首脳会談で北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記からムン・ジェイン(文在寅)大統領(当時)に贈られた豊山(プンサン)犬の子犬たちが、観光客向けの展示を経て捨て犬などを収容する動物保護施設へ送られていたことが分かった。韓国国会の国政監査では野党議員から「動物は政治の小道具ではない」として、国家が責任を持って追跡調査や待遇改善をすべきだとの指摘が上がっている。
問題となっているのは、キム総書記から贈られた雌の「コミ」が生んだ子犬たち。コミは2018年秋に6匹、2021年にはムン・ジェイン氏の愛犬との間に7匹の子を出産した。大統領府は当時、南北融和の象徴として大々的にPRし、子犬の大半は全国の地方自治体や公的展示施設に分譲された。
しかし、韓国の動物保護団体「動物自由連帯」の調査によると、江原道(カンウォンド)高城(コソン)の統一展望台に引き取られて一般公開されていた「ヘラン」と「クムガン」の2匹は、展示環境の劣悪さを訴える苦情が相次いだ末、同郡の動物保護センター(保護犬シェルター)へ移送されていた。同センターではかつての展示パネルが放置されたまま、2匹が暮らしているという。
また、全羅南道(チョルラナムド)の順天湾(スンチョンマン)国家庭園内のこども動物園に展示されていた2匹も公開が中断されており、ソウルや仁川(インチョン)などの公立公園に分譲された他の子犬についても、公開資料だけでは現在の健康状態や生存の確認が困難な状況となっている。生まれた13匹のうち1匹は今年すでに死亡したとされる。
6日に開かれた韓国国会行政安全委員会の国政監査で、保守系与党「国民の力」のキム・イェジ議員はユン・ホジュン(尹昊重)行政安全相に対し、「動物は政治的に利用される小道具ではなく生きた命だ」と批判。生存している子犬12匹の飼育環境や健康実態について全数調査を求めた。さらに、劣悪な環境にある個体については一般家庭への譲渡などを認め、残された余生を穏やかに過ごせるよう関係省庁と連携した対応を促した。
これに対し、ユン・ホジュン氏は「実態を把握して報告する」と答弁した。
首脳会談で贈られた動物は原則として「大統領記録物(国有財産)」に分類される。しかし、親犬2匹は光州市の市立動物園への「貸与」という異例の形が取られているほか、子犬のうち1匹だけが記録物に指定されながらムン・ジェイン氏の私邸に残されるなど、指定や管理の基準が一貫していない点も問題視されている。
キム議員は「国が融和の象徴として掲げ、公的機関へ分譲したのであれば、その後の命に対しても国が最後まで責任を持つべきだ」と述べ、外交贈答品としての動物の取り扱い全般に関する明確な基準づくりを求めている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News