金融機関へのハッキング事件を巡り警察が捜査に着手した6日、ソウル市内に設置された市中銀行のATM(c)news1
金融機関へのハッキング事件を巡り警察が捜査に着手した6日、ソウル市内に設置された市中銀行のATM(c)news1

【10月07日 KOREA WAVE】人工知能(AI)を活用したハッキングが韓国の金融業界を襲ったことを受け、サムスン、SK、現代自動車、LGなど主要企業が相次いでセキュリティー点検に乗り出した。

最近の金融業界への攻撃は、中核の金融取引網ではなく、業務支援システムなど比較的セキュリティーが弱い「裏口」を狙ったとされる。企業は取引先とつながるサプライチェーンからアフターサービス網、コールセンターなど外部との接点まで、死角がないか改めて確認している。

主要企業は中核システムと外部接続システムを分離し、アクセス権限を制限することで被害が中核ネットワークへ広がるのを防いでいる。一方、AIを利用した攻撃の高度化を受け、従来の対策に盲点がないか再点検している。

LG電子は、金融保安院が公開したハッカーのIPアドレスを遮断し、緊急点検を実施した。コールセンターなど社外勤務者が使う業務システムを含め、外部からアクセス可能なシステムも再確認した。

同社は外部から侵入されても中核システムや顧客情報に被害が及ばないよう、ネットワークと権限を分離。多要素認証やアクセス権限管理、脆弱性、接続記録の点検なども実施している。主要取引先への定期的なセキュリティー点検も続けており、今回の事態を受けて追加対策を進める予定だ。

サムスン電子も取引先などと連携してセキュリティー強化を進めている。最高情報セキュリティー責任者を中心に月1回、情報保護委員会を開き、セキュリティー事故や問題への対応を統括。担当者へのセキュアコーディングや脆弱性管理などの教育も実施している。

大韓航空はサイバーセキュリティーセンターで、ゼロトラストを基盤とした利用者認証や端末監視などの多層的な監視体制を運用し、グループ企業の情報資産もリアルタイムで確認している。

石油精製業界も政府の勧告を受け、ウェブやAPIなど外部に公開された資産を点検。防衛・造船業界では外部インターネット網と防衛関連の業務網を物理的に分離した上で、今回の事件を機に新たな脆弱性がないか確認している。

ハンファ・エアロスペースは取引先を含む定期的な点検を実施。HD現代も取引先にゼロトラストを基盤とする利用者保護体制を導入し、取引先などを経由するハッキングの防止を進めている。

専門家は、インターネットにつながるすべての情報システムに対策を広げる必要があると指摘する。スンチョンヒャン大学のヨム・フンヨル教授は、今回の金融業界への攻撃が中核網よりセキュリティー強度の低い支援網で発生したとして、外部接続のある全システムを点検し、脆弱性があれば速やかに修正する必要があるとした。

高麗大学のイム・ジョンイン碩座教授は、AIを利用するハッカーの攻撃を人間だけで防ぐのは難しいとして、「結局AIで防がなければならない」と述べ、サイバー防御用AIの開発を急ぐ必要性を訴えた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News