ソウル市城東区のポケモンポップアップイベントを訪れた人々(c)NEWSIS
ソウル市城東区のポケモンポップアップイベントを訪れた人々(c)NEWSIS

【10月06日 KOREA WAVE】「19年前にここへ入った時の家賃は月30万ウォンでした。2025年に100万ウォンへ上がり、今度は180万ウォンを求められました。もう耐えられません」

ソウルの人気エリア、聖水洞で40年間理髪店を営んできた店主が、急騰する賃料を理由に店を移すことになった。長年営業してきた個人商店が姿を消す一方、大型ブランドの店舗が急速に増えている。

かつて聖水洞は工場や倉庫、自動車整備業者などが集まる工業地域だった。その後、空いた建物に若い芸術家や起業家らが入り、古い工場やレンガ造りの建物を生かしたカフェ、ギャラリー、工房などが増加。若者に人気の街へと変化した。

不動産サービス会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、2025年に聖水を訪れた外国人は前年比82%増え、ソウルの主要商業地域で最も高い伸び率となった。売り上げ上位10ブランドの売り上げも175%増加した。

人気の高まりは賃料にも反映されている。CBREによると、2026年第2四半期の聖水エリアの賃料は前年同期比14%上昇。江南の9%、明洞の7%を上回った。空室率も3.4%で、明洞の5%、江南の6%台より低い。

背景には企業の出店競争もある。韓国の大手ブランドや海外のファッション、ビューティー企業がポップアップストアや旗艦店を相次いで開設。業界によると、練武場通りなどの主要エリアでは、ポップアップ店舗の1日当たりの貸し切り料金が2500万~3000万ウォンに達する例もあるという。

こうした高額なポップアップ市場が一般店舗の賃料まで押し上げているとの指摘もある。現地の不動産関係者は、月300万ウォンだった店舗に600万ウォン、場合によっては1000万ウォンを求めるケースもあると説明した。

大型企業は店舗単体で利益が出なくても広告効果を見込んで出店できる一方、客単価に限界がある個人経営の飲食店やカフェは賃料上昇に耐えることが難しいという。

聖水で7年間カフェを営む店主は、2~3年前の時点ですでに個人資本で新規出店するのは難しかったと話す。手作り靴街の雑貨店経営者も、餅店や金物店など地域に根付いた店舗は3~4年前から相次いで姿を消し、移転や廃業を選ぶケースが出ていると語った。

かつて個性的な個人店が集まっていた聖水洞は、大型ブランドが競って進出する商業地域へと急速に姿を変えている。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News