【10月10日 CGTN Japanese】中国チームが開発したケニアの小規模農家向けAIエージェント「神農Zao」は9月に発表されました。Zaoはスワヒリ語で「作物、収穫、成果」を意味します。同プロジェクトは中国農業大学の王耀君氏のチームが開発を主導し、国際食糧政策研究所(IFPRI)やゲイツ財団の支援を受けています。

ゲイツ財団の農業開発チームでデジタルソリューション担当のスチュワート・コリス氏は、汎用型の大規模言語モデルが広く普及する現在でも、こうした特定分野に特化したモデルは依然として必要だと指摘しています。汎用モデルは主に大規模農場が抱える課題への対応を得意とする一方、小規模農家の割合が高いアフリカやインドなどの途上国では、そうした農家の実情に十分対応できないケースがあるといいます。

「神農Zao」はスワヒリ語による音声対話に対応しています。また、これまでの経験に基づき、ユーザー層に合わせて細やかな調整も行われています。開発チームによりますと、小規模農家が質問する際に、自分の意図を十分に表現できない可能性を考慮し、質問の意味が不完全でも、できる限り本来の意図を推測し、それに応じた回答を示すよう設計されています。農家は長い説明や教条的な内容よりも実際の問題解決を求めていることが多いため、回答もできるだけ簡潔にしています。

「神農Zao」チームは2019年に農業用大規模モデルの開発を開始し、2023年に「神農大模型1.0」を発表しました。その後も改良を重ね、2026年にはバージョン4.0となり、120万以上の農家にサービスを提供しています。

ゲイツ財団の予測によりますと、現地の小規模農家がAIを活用することで、生産性が15%向上し、収入は最大25%増加する見込みです。アフリカでは、農家1戸当たり1回の生産シーズンで160〜170ドル(約2万5000〜2万7000円)の増収に相当します。

一方、普及には依然として課題があります。チームが活動する途上国の一部地域では、農業人口の約60%が現在も従来型の携帯電話を使用しています。現状では、AI技術を利用できるのは、現地の比較的裕福な農家や農業技術の普及指導員などに限られています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News