外国人観光客、上海の日常体験に注目
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【10月8日 東方新報】中国を訪れる外国人観光客が増える中、旅行先での消費も多様化している。上海市では観光地巡りやグルメだけでなく、旅行中にメガネを作る外国人が増えている。デザインの豊富さや価格の手頃さに加え、早ければ数十分で受け取れる利便性が海外のSNSで注目され、「上海でメガネを作る」ことが新たな消費スタイルとして広がりつつある。
上海のメガネ専門店が集まる施設では、外国人客が次々と訪れ、スマートフォンに保存した画像を見せながらフレームを選んだり、レンズについて相談したりする姿が見られる。
米国人観光客のアンドレス・ゴンザレスさんは、「私たちの国では、メガネの価格はここの約2倍です。レンズの品質も良く、サービスも速くて専門的です」と話す。
約50年にわたり検眼に携わってきたベテランの検眼士も、外国人客の増加を実感しているという。2026年に入ってから、メガネを作りに訪れる外国人客は増え続けている。
上海国際眼鏡城のある店舗の検眼士によると、2026年の外国人客は例年に比べ約40%増加。週末は特に外国人客が多く、遠近両用などの多焦点レンズを選ぶ人が多いという。
店頭でも変化は顕著だ。創業20年のあるメガネ店では、わずか1時間の間に3~4組の外国人観光客が訪れた。上海国際眼鏡城のメガネ店店長、童慶英(Tong Qingying)さんは、「以前は外資系企業で働くお客さまが多かったのですが、今はほとんどが観光客です。2026年の外国人観光客は例年の3~4倍に増えています」と話す。
価格に加え、商品の受け取りまでの速さも外国人観光客を引き付ける理由の一つだ。メガネ1本の価格は多くが300~800元(約6876〜1万8337円)。検眼を済ませてフレームを選ぶと、店員が在庫から適したレンズを用意し、その場で加工してフレームに取り付ける。関連産業の集積と豊富な在庫を背景に、早ければ数十分で完成する。イタリア人観光客のクラウディオさんは、「イタリアではメガネを作るのに1週間かかりますが、ここではわずか30分です。素晴らしいです」と話した。
こうした手軽な消費体験が海外のSNSで紹介され、口コミを見て店を訪れる外国人も増えている。
童さんによると、外国人のインフルエンサーらがSNSに情報を投稿するほか、利用客が高評価の口コミを残すことで、店の評判がさらに広がっているという。外国人観光客が体験する上海の日常は、メガネ作りだけではない。街中の美容室を訪れ、カットやカラーリングなどのサービスを利用する人も増えている。きめ細かなサービスや一人ひとりに合わせたスタイリングが、新たな旅行体験として注目されている。
スイスから上海を訪れたエリフさんと友人は、10日間の旅行を楽しんでいる。出発前から海外のSNSで美容室を探し、アジア風のヘアスタイルを体験しようと店を選んでいた。
エリフさんは、「インターネットでたくさんの動画を見ました。この店には外国人のお客さんが多く訪れているので、コミュニケーションも取りやすいと思いました。スタッフも英語を話せます」と話す。
美容師は事前に希望を詳しく聞き、エリフさんの顔立ちや髪質、普段の服装などを踏まえ、髪のレイヤーやカール、前髪の流れなどをデザインした。エリフさんによると、スイスではカットとカラーに約200スイスフランかかるが、上海ではその半額程度だったという。「体験もとても良かったです。新しいヘアスタイルも、家に持ち帰れる旅の記念品です」と話した。
上海市閔行区の「老外街」と呼ばれるエリアにある美容室でも、訪中観光の回復に伴い、2026年に入ってからヘアスタイリングを目的に訪れる外国人観光客が増えている。
同地区の美容室店長、李孟華(Li Menghua)さんによると、顧客は欧米や中東、南アフリカなどさまざまな地域から訪れており、外国人観光客の増加を明確に感じているという。現在は毎月20~30人ほどの外国人観光客が来店している。
美容師は国や地域による髪質や好みの違いに合わせ、一対一でスタイルを提案している。外国人客とのコミュニケーションを円滑にするため、店舗では英語研修も続けている。
現在、李さんの連絡先には8000人を超える外国人客の名前やサービスの好みが記録されており、その中には繰り返し来店する客も少なくない。フランス人観光客のジュリーさんは、「2025年からここで髪を切っています。スタッフは英語を話せますし、サービスも良く、さまざまな髪質の特徴も理解しています」と話す。
「上海の景色を見る」観光から、「上海の日常を体験する」観光へ。ヘアサロンやネイルサロンなど、生活に身近なサービスも外国人観光客の新たな旅行体験となりつつある。(c)東方新報/AFPBB News