韓国国会の本会議で「救急医療に関する法律」の一部改正案が在席219人のうち賛成172人、反対13人、棄権34人で可決された=2026年10月1日、ソウル(c)news1
韓国国会の本会議で「救急医療に関する法律」の一部改正案が在席219人のうち賛成172人、反対13人、棄権34人で可決された=2026年10月1日、ソウル(c)news1

【10月05日 KOREA WAVE】韓国で、救急患者の病院受け入れの遅れを減らすための、いわゆる「救急搬送たらい回し防止法」が国会本会議を通過した。

韓国国会は1日の本会議で、救急医療法改正案を在席219人のうち賛成172票、反対13票、棄権34票で可決した。

改正案の柱は、重症救急患者を搬送する適切な救急医療機関が決まらない場合、中央救急医療状況室と119救急状況管理センターが患者を受け入れる医療機関を指定できるようにすることだ。

従来の法律では、救急車などの運用者が患者を搬送する際、患者の状態に応じて地域の救急医療搬送体制などを総合的に考慮し、搬送先を決めることになっていた。

改正案では、救急医療機関が患者の受け入れが難しい状況になった場合、中央救急医療状況室への通知を義務付ける。救急医療を拒否できる正当な理由についても具体的に定めた。

拒否できるケースには、救急医療機関の施設、設備、人員などの救急医療資源のいずれかがすべて稼働中で、新たな救急患者に適切な処置を提供できない場合などが含まれる。

また、救急医療によって患者が死亡したり負傷したりした場合の医療従事者に対する刑事責任の減免について、従来の「免除できる」という任意規定から「免除する」という規定に変更した。

これにより、重症救急患者を受け入れた病院の医療従事者が、生命の危険や心身への重大な危害、症状の悪化を防ぐため緊急に提供した医療によって患者が死傷した場合でも、その医療行為がやむを得ないもので、重大な過失がなければ刑事責任を問われない。

保健医療の専門家で韓国与党「共に民主党」のキム・ユン議員は採決に先立ち、「救急隊員に無条件で患者を搬送させる法律でも、救急医療従事者に無条件で患者を受け入れさせる法律でもない」と説明。「国が搬送から最終的な治療まで責任を負うシステムをつくるための法律だ」と強調した。

一方、医師出身の改革新党のイ・ジュヨン議員は、病院に受け入れ困難な状況をリアルタイムで通知するよう義務付けた点について、「集中治療室の病床や手術室の予定、救急外来の状況は分単位、時には秒単位でも変化する」と指摘した。

その上で「医療従事者がこの法律によって保護されるには、目まぐるしく動く救急外来の1分1秒をすべて記録し、証明しなければならない。地域の小児救急から医療従事者が離れていくのは、こうした負担が積み重なっているためだ」と懸念を示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News