ソウル・麻浦区の望遠漢江公園にある漢江警察隊望遠治安センターで、水上ドローン「GeoSonar FB-2」が行方不明者の捜索技術を実演している=2026年9月29日(c)news1
ソウル・麻浦区の望遠漢江公園にある漢江警察隊望遠治安センターで、水上ドローン「GeoSonar FB-2」が行方不明者の捜索技術を実演している=2026年9月29日(c)news1

【10月05日 KOREA WAVE】ソウル・漢江で行方不明者を捜索する警察にとって、大きな課題の一つが水中に沈んだ人の位置を特定することだ。潜水士が直接潜っても水中の視界は約30センチしかなく、予想した地点が少しずれるだけでも広い範囲を捜索しなければならない。

こうした現場の課題を解決するため、韓国中小ベンチャー企業省と警察、韓国科学技術院(KAIST)のグローバル技術事業化センター(GCC)が、水上ドローンを活用した行方不明者捜索技術の実証に乗り出した。

韓国の水上ドローン専門企業GeoSonarは9月29日、ソウル・麻浦区の望遠漢江公園一帯で、ソウル警察の漢江警察隊と「政府初の実証・購入プロジェクト」の一環として実証実験を実施した。

実証では、人を模したモデル「Geo」を水中に投入し、水上ドローンが捜索して位置を探知した。

ドローン下部に取り付けられた水中探知装置「サイドスキャンソナー」が音波を発して水中を探査し、人工知能(AI)がデータを分析して人とみられる物体を探す。分析結果をもとに、陸上の管制システムへGPS座標や水深、検出の信頼度などが送られる。

水上ドローンは水深10メートル、幅60メートルまで水中を探知できる。上部のカメラで水面や周辺の状況も撮影し、水上と水中のデータを同時に収集する。GeoSonarは2025年の最初の実証後に新たな水上ドローンを開発し、漢江の環境に合わせてソフトウェアも再構築した。

実証に参加した警察関係者は「すでに沈んでいる場合は潜水して捜索しなければならないが、正確な位置を把握するのが難しい」と説明。経過時間や潮の状況などから位置を推定して捜索しているものの、現実には難しさがあるとした。

さらに「方向や地点など、ある程度の範囲が分かるだけでも捜索ははるかに容易になる」とし、肉眼で位置を確認できず、推測に頼って捜索を続ける際に遠隔探知装置があれば役立つと語った。

今回の実証は、中小ベンチャー企業省が推進する「政府初の実証・購入プロジェクト」の一環。同プロジェクトは、新産業のスタートアップによる研究開発(R&D)の成果を政府・公共機関で実証した後、革新的な製品に指定し、試験購入や海外での実証にもつなげる事業だ。

現在、水上ドローンのAI学習用データは約1000件。GeoSonarは今後、2次、3次の実証を通じて約2万件まで増やし、人の姿勢や水底の状態など、実際の河川環境で生じるさまざまなデータをAIに学習させる計画だ。

中小ベンチャー企業省と警察は、1次実証の結果や関係者の意見をもとに、水上ドローンや探知アルゴリズム、管制機能などの改善点を洗い出し、技術の高度化や公共調達につなげる可能性を検討する。

GeoSonarのキム・チャンボン代表は、水中の人に関する公開データは世界的にもほとんどないと説明。警察との取り組みがデータ収集に大きく役立ったとし、今後の実証でもデータを蓄積することで、新たなソリューションの開発につなげたいとの考えを示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News