【10月4日 AFP】スペインの首都マドリードをはじめとする主要都市で3日、手頃な価格の住宅確保を求める数万人規模の抗議デモが行われた。前日には議会で借主向けの救済法案が否決されたばかりだった。

先月、年金生活者の女性マリカルメン・アバスカルさん(87)がマドリードのアパートから強制退去されたことをきっかけに始まった抗議活動は、1週間を経て一段と拡大している。

法案否決は社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス首相にとって更なる政治的打撃となり、2027年に予定されている次回総選挙まで少数与党政権が維持できるのか疑問の声が再燃している。

サンチェス政権が提出した賃貸契約の自動更新や弱者の立ち退き制限を盛り込んだ法案は、2日の議会で野党の反対多数により否決された。

この否決により、高騰する住宅市場に対する市民の不満は爆発。マドリード中心部では、改革を求める人々が1週間前から設置したテント村の占拠を続けている。

3日早朝には首都の通りをデモ参加者が行進した。当局は参加者数を7万人と発表したが、主催者側は50万人と主張している。

3日夜には極右勢力のグループが一部ナチス式敬礼を行いながら抗議キャンプ地に接近を図ったが、警察に阻まれた。

パルマデマヨルカ、サンタンデール、セゴビア、トレドなど他の都市でも小規模なデモが行われた。

住宅問題は長年にわたりスペイン市民の最大の関心事となっており、需要に対して供給が追いつかず、欧州連合(EU)各国と同様に家賃や住宅価格が上昇し続けている。

不動産情報サイト「イデアリスタ」によると、スペインの平均家賃は過去10年間でほぼ2倍になり、住宅の売り出し価格も約90%上昇した。

国民党のアルベルト・ヌニェス・フェイホー党首は3日、「国はこれ以上耐えられない」としてサンチェス首相に早期解散・総選挙を求めた。最近の世論調査では、国民党の支持率が社会労働党を上回る傾向が続いている。(c)AFP